【教育の部】ジェンダー平等が災害に強い社会をつくる 男女共同参画地域みらいねっと

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:ジェンダー視点を取り入れた防災教育
教育の部・団体 賞金300万円
私たちは、青森県内外の若年層を対象に「ジェンダー視点を取り入れた防災教育」を展開することで、次世代の災害時における実践的な力量を形成するとともに、男女共同参画の意識向上につなげています。
青森市内の中学校では、2019年からこれまでに延べ41回、6800人以上に学びを提供してきました。現在は、県内外の小学校から高校、大学まで対象を広げ、2022年度は20回の実施を予定しています。
従来、学校での防災教育は「自然現象への対応力」に力点が置かれていました。しかし国連防災世界会議でも確認されたように、日常にあるジェンダーの不平等を放置することは、社会を災害に対して脆弱にする大きな要因となります。
私たちが開発した防災教育プログラムが目指すのは、ア)災害時に誰もが取り残されない避難所の設営・運営、イ)「考える力」「判断し行動する力」「生き抜く力」、ウ)災害時には中学生の力も地域を支えるために欠かせないこと、エ)性別にとらわれず一人ひとりが能力を発揮し認め合えることの大切さ、などを伝えることです。

「誰一人取り残さない避難所」のモデルルームを設営し、臨場感に富んだ模擬体験をおこなうことで、生徒たちには主体的な行動変容がみられます。また、災害時のみならず、平時におけるジェンダー平等や多様性への配慮が大切であると気づくことで、意識の変容と「持続可能な社会の創り手」の育成にも貢献すると考えます。
学校内だけでなく、地域住民や自治体などとも協力しながら実施するプログラムは、学校と地域をつなぎ、防災の知識と知恵を広めることにも貢献しています。
受賞コメント
当社団のジェンダー視点を取り入れた防災教育と地道な取り組みに対し、ご評価いただき感謝申し上げます。賞金につきましては、本取り組みに関心のある学校などでの避難所運営訓練などに活用させていただき、ジェンダー平等や多様性配慮への気づき、防災意識の向上を目指し、「持続可能な社会の創り手」の育成につなげていきます。
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