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天皇陛下の要人会見「政治判断と別次元で」 宮内庁長官

2009年12月12日1時26分

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 天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見が決まった経緯に関する羽毛田信吾・宮内庁長官の説明の概要と、主な一問一答は次の通り。

      ◇

 【長官による経緯説明】

 両陛下の外国賓客の引見については、引見希望日が迫った形で願いが出てまいりますと日程調整に支障をきたす。そういうことがなくても繁忙をきわめる両陛下に想定外のご負担をおかけすることになる、と考え、1カ月以上前に、内閣(外務省)から願い出をいただくことをルールとしてやってきました。

 とくに2004年以降は、前年に陛下の前立腺がんの手術もあり、陛下の負担や年齢も考慮して、ルールをより厳格に守っていただきたいと政府部内に徹底してきたところです。

 このルールの肝心だと思っているところは、国の大小だとか、この国が大事でこの国は大事ではないという政治的重要性で取り扱いに差をつけることなくやってきた点です。米国は大事だから米国の賓客には1カ月以内でも会うとか、某国はそれほど大事じゃないから厳格にルールを守りましょうとか、そういうことをしない形でやってきた。

 両陛下のなさる国際親善は、政府の外交とは次元を異にし、相手国の政治的な重要性とかその国との間の政治的懸案があるとか、そういう政治判断を超えたところでなされるべきものだという考え方です。従って今回は、現在の憲法下における天皇陛下のお務めのあり方だとか、役割だとかいった基本的なことがらにもかかわることと思っているわけです。

 今回、外務省を通じて内々に宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切った段階でしたから、ルールに照らし、お断りをした。その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があり、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわらずやってきたのだからぜひルールを尊重していただきたいと申し上げました。

 その後、再度、官房長官から、総理の指示を受けての要請という前提でお話がありました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官の指示には従うべき立場。大変異例なことではありますが陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあってほしくないというのが私の切なる願いです。

 【報道陣との質疑】

 ――陛下の政治的利用につながりかねないとの懸念を持っているということですか。

 大きくいえば、そういうことでしょう。個別に政治的懸案があるからこうしよう、という形でやっているわけではないわけですから。

 ――1カ月というルールの根拠は何ですか。

 日が迫って日程を入れるほど大きな支障を生じる。今はお年も召され、手術もしている。それで、ひとつの常識として1カ月でやってもらおうということでやってきた。

 大事なのは、それでやりましょうとみんなが守ってきた時に、中国は政治的に大事だからこうしましょうとなるのは、つらい。政府のありようとしては、それじゃうまくないのではと申し上げたつもりです。

 ――政治利用に関して、もう少し具体的に。

 そういうことを超えたところで外国のおつきあいをなさるのが陛下の国際親善のありようだと。それを政治的な重要性だとか懸案があるからということでしたら、それを一言でいえば政治利用でしょうけれど、政治利用という言葉で言うだけではなくて、やはり天皇陛下のお務めのありよう、あるいは天皇陛下の役割ということについて非常に懸念することになるのではないでしょうか、と。政治的利用ではないかという懸念ではないかと言われれば、そうかなという気もしますね。

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