民主党が来年度予算要望で、農業基盤整備のための土地改良事業費半減を掲げたことから、全国土地改良事業団体連合会(全土連)の会長を務める野中広務・元自民党幹事長が、民主党へ21日に陳情に訪れる予定であることがわかった。しかし、民主党はかつて野中氏と激しく対立した小沢一郎幹事長による対応を拒んでいる。
民主党幹部によると、小沢氏が16日、来年度予算の財源と「農業予算の大転換」のため、土地改良事業費半減などを鳩山由紀夫首相に要望した直後、全土連から「会長が小沢氏に陳情したい」と打診があったが、「党役員会の時間と重なる」として、小沢氏の代わりに側近の副幹事長2人が対応することになったという。
全土連の政治団体の全国土地改良政治連盟は自民党の有力支持団体。連盟顧問の元九州農政局長が11月、来年夏の参院選比例区で同党から公認されている。ただ、政権交代後の10月、野中氏が「全土連は政治的に中立」と発言し、「自民党離れでは」と波紋が広がり、複数の県の土地改良事業団体が民主党幹事長室に陳情している。