参院予算委に遅刻した前原誠司国交相(左から3人目)に注意する平野博文官房長官(右端)。左から2人目も遅れた原口一博総務相=3日午前9時3分、国会内、飯塚悟撮影
2010年度政府予算案の審議が始まった3日の参院予算委員会に、仙谷由人国家戦略担当相、前原誠司国土交通相、原口一博総務相がいずれも数分間遅刻した。これに野党が「参院軽視」と抗議。結局、委員会の開会が約15分遅れ、冒頭、平野博文官房長官と3閣僚が陳謝する異例の事態となった。予算案は2日に衆院を通過し、年度内成立が確定しており、閣僚の「気の緩み」と批判を浴びそうだ。
予算委員会は通常午前9時開会。しかし、3日は鳩山由紀夫首相らとの質疑の前に菅直人財務相による予算案の趣旨説明が入り、8時50分からの予定だった。定刻になっても閣僚がそろっていないことに反発した自民党などの要求で理事会が開かれ、閣僚らが陳謝することに。9時過ぎに始まった委員会で3閣僚は「誠に申し訳ありませんでした」(仙谷氏)、「心からおわびします」(前原氏)、「以後、反省いたします」(原口氏)などと相次いで頭を下げた。
遅刻の理由について、内閣府の仙谷大臣室は「事務連絡のミス」、総務省幹部も「事務方の日程作成上のミス」としている。前原氏は日程は知っていたが、ギリギリ間に合わなかったという。平野氏は委員会休憩中、3閣僚に「事務的なミスといえども、それを監督するのが大臣だ」などと再発防止を求めた。
8時54分ごろ、小走りで委員会室に入った原口氏には、「ツイッターやってたんじゃないか」とヤジが飛んだ。ツイッターの履歴では、8時52分に携帯電話から経済成長戦略について書き込んでいたが、原口氏は午後、記者団に「何かをやったから遅れたわけではない」と釈明した。
最初に質問に立った自民党の林芳正参院政審会長は「予算委員会に大変失礼だ。危機管理の問題だったらどうだったか。今の鳩山内閣を象徴している。きちんと連絡を徹底して、内閣全体として仕事にあたってほしい」と批判した。