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【別宮潤一、波戸健一】インターネットで移動場所を伝えたり、演説を音声だけ流したり――。東京都議選でネットの活用が広がっている。ネット選挙は参院選まで解禁されないが、候補者は公職選挙法に触れないよう工夫を重ねる。ただ、フライング気味の動きも出てきた。
「警視庁も選管も見守るなか、ニコニコ生放送で配信中です」
14日、練馬区の住宅街。自転車で回る候補者を追う選挙カーから選対幹部の声が響いた。後部席にはパソコンを開いたスタッフ。移動に合わせ、ネットに載る地図の「今ここ」と書いたマークを動かし、候補がマイクを握ると音声をネットで配信した。
地図も音声も会員だけ見られるサイトで、登録者580人のうち常時10〜20人が視聴した。「斬新」「この取り組みは広がってほしい」など1日で計255件のコメントが寄せられた。
候補者は「多くの人に格安で情報が伝わる」と話す。現行法は、選挙期間中にサイトに選挙運動にかかわる記載をすることを禁じているが、移動場所を示すことは「投票の依頼という選挙運動性はない」、音声配信は「写真や文字と違い、公選法が禁じる文書図画に当たらない」とする。
北区の候補者は告示後、登録者だけが見られるフェイスブックで演説会の場所を書き込んだ。「一票をお願いする選挙運動ではなく、問題ない」。一方、渋谷区の陣営では14日、スタッフが候補者のツイッターにアドレスを投稿。アドレスをクリックすると候補者の街頭演説の写真が表示された。外部の指摘を受け、数時間後に削除した。
都選管は「位置表示や音声の配信なら問題ない」とする一方、候補者の写真は「投票を期待した行為」として、まだ解禁されていないネットでの選挙運動にあたる可能性が高いという。
「ネット選挙」の広がりについて、随時チェックする人員がいないという都選管は「違法活用の情報があれば警視庁に通報する」と言う。警視庁は「態様によって不特定多数への文書図画の頒布と判断されれば、警告の対象になる」(幹部)との姿勢だ。サイバー犯罪の専門捜査員を入れ、取り締まりにあたっている。
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朝日新聞官邸クラブ