2011年4月11日13時14分
大阪府の橋下徹知事は11日、自らが代表の地域政党「大阪維新の会」が大阪府議会で過半数を獲得するなど躍進したことを受けて、「大阪都構想」を進めるため、過半数に達しなかった大阪市議会で他党との連携を目指す方針を表明した。都構想について「いったん白紙」と述べるなど、協力を得るには修正もありうるという考えを示した。
大阪府庁で報道陣に語った。知事は第1党に躍進しながらも過半数には届かなかった大阪市議選について「敗北」と表現。「負けたという前提で、大阪都構想の名称も含め、他党と話し合いたい」と述べ、都構想の名称や内容の修正も含めて他の党と話し合い、協力を求める考えを語った。
知事は都構想について、これまで(1)大阪市を特別区に分割し、区長公選制を導入すること(2)府と市の役割分担をして広域行政の指揮官を一本化することを「譲れない点」としてきた。
ただ構想を進めるにあたっては、府と市の両議会で制度設計を進める協議会の設置を「決議」することを目指しており、この日の発言は市議会で他党を協議に引き込む狙いがあるとみられる。
大阪維新の会は、府議会(定数109)で57議席と戦後初めてとなる単独過半数を獲得した。一方、市議会(定数86)は33議席で過半数に達せず、他党との連携が必要となる。橋下氏は「区長公選や『1人の指揮官』は有権者に支持されなかった。市議会でペケと言われたら何も動かない。都構想はいったん白紙」と述べ、柔軟な姿勢で話し合う考えを強調した。
知事は協議相手として、市議会で第2党となった公明党をまず挙げ、「公明は市民の意思を受けた第2の政党。府議会、市議会で協議をして進めていきたい」と述べた。
一方、今年11月ごろの大阪市長選について「維新の会が市長をとれば政治的状況が変わる。政治的パワーを背景に(他党との)協議をすすめていく」と述べ、維新の会として候補者を立てる方針を改めて表明。
大阪市の平松邦夫市長が11日未明、都構想を「妄想」などと批判したことについて「今回の結果をもとに議会を交えて連携しましょうというなら、話し合える。しかし平松さんの言いぶりでは、市長選で戦わざるをえない」と話した。