23日夜、自宅にいた安倍晋三首相は玄関から出て、記者団の取材に応じた。
「まだまだ景気の回復を実感していない方がたくさんいるのも事実。多くの方々に実感してもらえるよう全力を尽くしていきたい」
地方選の結果を受けて首相が取材に応じるのは異例のこと。アベノミクスの実績を前面に掲げた東京都議選で全員当選を果たし、自信を深めたようだ。
前回は都議会第1党の座を失い、直後の衆院選で政権与党からも陥落した。首相は参院選に向けて都議選を「準国政選挙」と位置づけ、首相官邸の執務室で候補者名が入った資料を広げて選挙区ごとに自ら分析する熱の入れようだった。
選挙戦でも首相が前面に立った。20日夕、欧州訪問から帰国した直後にも街頭へ。その日から3日間で行った12カ所の街頭演説では「経済成長でも消費でも生産、雇用でも、すべての数字は改善した」などと、必ずアベノミクスの実績を盛り込んだ。
投票終了前の23日午後6時ごろ、党幹部は首相に「2議席くらいは落とすかもしれない」と伝えていたが、結果は完勝。党幹部の一人は「アベノミクスが評価されたということだ」と語った。別の幹部は「やはり笑顔は見せないほうがいいのかな……」と気を引き締めようとしながらも笑いが止まらない様子だった。
ただ、経済政策の実績頼みの戦略は、もろさも背中合わせだ。自民党選対関係者は告示直前に「株価以外に大きな実績がない。株価のピークも早すぎた」と漏らしていた。株価など経済指標の動向しだいで、参院選にマイナスの影響がないとも言い切れない。
石破茂幹事長は23日夜、党本部で記者団に「(アベノミクスの)大胆な金融緩和、機動的な財政出動という第1、第2の矢は評価してもらった。第3の矢である成長戦略について、参院選までに多くの国民に得心してもらえるようにさらなる努力が必要だ」と強調。首相周辺は「1カ月あれば何があるかわからない」と気を引き締めた。
連立を組む公明党も6回連続の全員当選で目標を達成した。ただ、自民党の全勝には「調子に乗らないか心配だ」(公明党幹部)と複雑な心境ものぞく。山口那津男代表は23日夜の記者会見で自民党が改憲へ前のめりになる可能性を問われ、「短兵急に一方の考えだけでは進められない」とクギを刺した。
| 参院議員選挙公示 | 7/4(木) |
|---|---|
| 参院議員選挙投開票 | 7/21(日) |
| 期日前投票期間 | 7/5(金)〜20(土) |