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(良識の府どこへ)改革模索 制度も意識も

デザイン画:参院の制度改革拡大参院の制度改革

 参議院の本会議場にヤジが飛び交った。「早くやめろ」「おかしいよ」

 5月9日、自民党の川口順子・環境委員長(72)の解任決議が出された。4月の訪中で要人との面会で滞在を1日延長し、環境委員会が開けなかったことが問われた。

 討論は約40分。「職務を果たせないなら辞めてから行けばいい」と主張する民主党などの賛成多数で、参院史上初の常任委員長解任が決まった。

 川口氏は「党利が優先された」と振り返る。本会議後に川口氏を訪れ、「党議拘束があり、反対できなかった」と打ち明けた民主党議員もいたという。

 6月26日の国会閉会日は安倍晋三首相の問責決議が可決され、発送電分離を進める電気事業法改正案や、生活保護の不正受給の罰金を引き上げる生活保護法改正案が廃案になった。

 「参院がめざしてきた方向と逆行している」。斎藤十朗・元参院議長(73)は、参院が「政局の府」に陥っている実態を嘆く。

 参議院は1971年、河野謙三議長が参院らしさを出すための見直しを始めた。同年には、審議の公平さを保つために正副議長は党籍を離脱。斎藤氏が議長だった98年は、個々の議員の政治責任を明確にするため、投票結果が個別に公表される押しボタン式投票を取り入れた。

 「いくら制度をつくっても、専門性を生かすなど議員一人ひとりの意識が変わらないと改革は進まない」。斎藤氏は話す。

 参院議員は様々な将来像を描く。「生活再建を願う被災者の心情を傷つけ、裏切るような事態も明らかになった」。5月20日の参院決算委員会で、委員長の金子原二郎氏(69)が安倍首相にただした。震災復興予算が官庁施設の改修費や防衛費に支出されていた問題について、委員会は内閣への警告を決議した。

 決算委員会に入った金子氏の議員会館には官僚がほとんど来なくなり、通信関連などの予算を審議した総務委員会の筆頭理事時代とは大きく違っている。決算は予算よりも格下にみられがちだが、金子氏は「提言がもっと政策に反映されるようにしたい」と話す。

 「無所属候補が当選しやすいよう、全国をブロックに分けて個人名で投票を」(江田五月・元参院議長)、「人口とは違う形で一票の価値をとらえ、米国の上院のように各地域で同人数の代表を出す」(舛添要一参院議員)――。選挙制度を変え、参院の特徴を出そうという声も多い。

 鳩山政権で官房副長官を務めた民主党の松井孝治参院議員(53)は5月22日、参院憲法審査会で「参院では多様な利害を調整できる選挙制度が好ましい」と述べた。

 前身の憲法調査会では「比例区の議席を世代ごとに割り当てる」と提案。「25〜35歳」というように10歳区切りで配分し、各世代の代表が確保できれば、年金や医療、介護など中長期的な問題で「親や子の世代のことを思いながら議論できる」と考えた。

 現職議員の身分に関わるため、実現までの道のりは厳しい。「衆参で切り口を根本から変えないと、二院制の意味がない」。今期で政界を引退する松井氏は言う。

選挙などの日程

参院議員選挙公示 7/4(木)
参院議員選挙投開票 7/21(日)
期日前投票期間 7/5(金)〜20(土)
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