【安倍龍太郎】小選挙区と比例区で当日有権者数が違ったり、投票率が「100%」だったり――。16日に投開票された衆院選の集計で、初歩的なミスを連発した熊本市選管。2009年の衆院選、10年の参院選に続き、投開票結果の確定は大幅に遅れた。誰が見ても一目瞭然の間違いは、なぜ防げなかったのか。
開票作業が行われた市総合体育館。小選挙区の投票結果は予定の午後10時半になっても発表されず、報道陣にペーパーが配られたのは約1時間後だった。政令指定都市として五つの行政区を抱え、「予想以上に集計作業に手間取ってしまった」(市選管)というのがその理由だ。
間違いはすぐに見つかった。全域が熊本1区である東区の当日有権者数や投票者数が、そっくり2区に上積みされていた。コンピューターのプログラム設定を誤っていたという。発表資料の日付はなぜか「11月18日」。高浜幸事務局長は報道陣に「チェックが十分ではなかったと思う。大変申し訳ない」と繰り返した。
だが、ミスはその後も続く。比例区の投票結果は3時間遅れの17日午前2時半ごろに出たが、北区の一部の投票率は「100%」。データを入力した北区の担当者が投票者数の欄に当日有権者数を打ち込み、期日前投票者数なども加えたためだった。報道陣からは「一度でも目を通して公表したのか」との声が漏れた。
衆院議員選挙公示 | 12/4(火) |
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衆院議員選挙投開票 | 12/16(日) |
期日前投票期間 | 12/5(水)〜15(土) |