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2012年11月20日
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キーワードで見る選挙

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一票の格差

 議員定数や人口の違いにより、国政選挙の選挙区ごとに有権者1人あたりの「一票の重み(価値)」が不均衡になっていることを指す。議員1人あたりの当選に必要な有権者数が最も少ない選挙区を基準とし、その何倍かという形で示される。一票の価値が異なるため、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが裁判で争われてきた。

 2009年衆院選では、有権者が最多の千葉4区と最少の高知3区との「一票の格差」は2.30倍だった。最高裁は11年3月、これを「違憲状態」と判断。与野党各党は協議会を立ち上げ、格差是正のため選挙制度改革論議を始めた。

 有識者で構成する内閣府の衆院議員選挙区画定審議会(区割り審)は、法律で定められた期限である12年2月25日までに、10年の国勢調査結果に伴う選挙区見直しを首相に勧告しなければならなかったが、与野党で合意できず、勧告できなかった。

 野田佳彦首相は衆院解散の条件に「一票の格差」の是正を挙げ、民主、自民、公明の3党で協議し、小選挙区の「0増5減」で合意した。減員の対象は山梨、福井、徳島、高知、佐賀の各県だが、新たな選挙の線引きが間に合わないため、12月16日投開票の総選挙では適用されない。

 一方、一票の格差が最大5倍となった10年の参院選についても、最高裁は10月に「違憲状態」との判断を示し、史上初めて衆参両院が「違憲状態」とされる事態となった。最高裁判決は、「単に一部の定数を増減するにとどまらず、都道府県を選挙区とする方式を改めるなどの立法措置を講じるべきだ」と、具体的な改革を求めた。

特例公債法

 国の借金である国債には、建設国債と赤字国債の2種類がある。公共事業や政府系機関への出資金・貸付金などの目的に限り、発行が認められている建設国債に対し、歳入の補塡(ほてん)が目的の赤字国債は、財政法では本来は発行が認められていない。そのため、年度ごとに発行を可能にする特例法を国会で可決する必要がある。これが特例公債法だ。

 特例公債法はこれまで、毎年春に新年度予算とともに成立してきたが、「ねじれ国会」になって以降、成立が与野党の政局の駆け引きに用いられるようになった。11年は当時の菅直人首相の退陣などと引き換えに成立。12年も成立が難航し、政府は予算の執行抑制に追い込まれた。

 野田佳彦首相が解散の条件に特例公債法の成立を挙げたことを受け、民主、自民、公明3党で協議。2015年度までの4年間は赤字国債の自動発行を認めるように法案を修正することで合意した。ねじれ国会の下での新たなルールを設けた形だが、赤字国債の発行に国会のチェック機能が十分に発揮されず、財政規律が緩む恐れもある。

消費増税

 厳しい財政状況を背景に、現在5%の消費税率を2014年4月に8%に、15年10月から10%に上げることを盛りこんだ消費増税関連8法案が12年8月、民主、自民、公明3党などの賛成多数で成立した。消費税率の引き上げ法が成立するのは18年ぶり。

 2012年度末の国の借金(国債発行)残高は709兆円にのぼり、10年前のほぼ倍。財務省は、赤ん坊からお年寄りまで国民1人あたり約550万円の借金を背負っている状況と説明する。12年度の当初予算(一般会計)は、歳出は90.3兆円だが、税収とその他収入が約46兆円にとどまり、44兆円は新たに国債を発行して借金でまかなう状態となっている。

 消費増税により、政府は13.5兆円の税収増を見込み、すべてを社会保障費に使うとしているが、めぐりめぐって公共事業に回るおそれも指摘されている。

 政府は、税収増13.5兆円のうち7兆円分は、社会保障のために毎年借りている借金(新しい国債の発行)を減らすことに使うとするが、この借金を減らさなければ、7兆円分のお金が浮く。民主、自民、公明3党が6月に消費増税で合意した際、法案に「(消費増税によって)財政による機動的対応が可能となる中、(略)成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」との「付則18条2項」が付け加えられており、防災や減災にお金がまわる可能性がある。

 消費増税法では、増税の前提として「物価が持続的に下落する状況からの脱却」が明記されており、状況次第では引き上げが先送りとなる可能性もある。

原発ゼロ

 野田内閣の関係閣僚でつくるエネルギー・環境会議は2012年9月、「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめ、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と明記した。原則として原発の新増設を認めず、原発の運転期間を40年に制限する「40年廃炉」を進めていくとしている。

 しかし、原発がある自治体や経済界などの反発に配慮し、全文の閣議決定は見送り、「戦略を踏まえて、不断の検証と見直しを行う」との一文を閣議決定するにとどめた。東日本大震災後に工事が中断された原発の建設再開は認める考えを示し、大間原発(青森県)の建設が再開するなど、「原発ゼロ」と矛盾した動きとなっている。

尖閣問題

 尖閣諸島は沖縄県石垣島の北約170キロに位置し、面積3.82平方キロメートルの魚釣島(うおつりじま)、1平方キロメートル未満の久場島(くばじま)、北小島、南小島、大正島と岩礁群からなる。総面積は約5.5平方キロ。1895年に、当時の明治政府が自国領として正式に沖縄県に組み入れた。中国は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国人が最も早く発見し、命名、利用してきた」と主張し、領有権を訴えている。

 2012年4月、当時の石原慎太郎・東京都知事は個人が所有していた魚釣島、北小島、南小島の購入計画を表明。これに対し、政府は「平穏かつ安定的な維持管理を継続する」として、3島を20億5千万円で購入し、国有化を閣議決定した。

 国有化に対し、中国は「主権を侵害している」などと強く反発。北京をはじめ、中国各地で反日デモが発生し、日系企業への放火や略奪などが相次いだ。日中国交正常化40周年の記念式典が事実上の中止となるなど、日中関係は極度に悪化した。

竹島問題

 竹島は隠岐諸島の北西157キロにあり、二つの小島と岩礁からなる。日本と韓国がともに「固有の領土」と主張しているが、韓国の李明博(イミョンバク)大統領は2012年8月10日、竹島に上陸。日本は強く反発し、日韓関係は冷え込んだ。

 日本は領土紛争を国際司法裁判所(ICJ)で解決しようと訴えているが、竹島を「独島(トクト)」と呼ぶ韓国は、「韓国固有の領土で、紛争は存在しない」との立場で、共同提訴の呼びかけを拒んでいる。

 日本は1905年に領土編入を決め、島根県が帰属を告示した。一方で韓国は52年、当時の李承晩(イスンマン)大統領が公海上に「李承晩ライン」を設けて竹島を取り込み、54年から武力要員を常駐させている。

 65年の日韓基本条約で国交が正常化された際も、問題は棚上げになった。日韓は99年、周辺海域を共同で管理する暫定水域を設けた。05年には島根県で「竹島の日」条例が成立。06年には周辺での海洋調査が韓国側の求めで中止された。

 韓国は島に灯台やヘリポートを建設し、観光客に開放するなど実効支配を進めている。暫定水域では日本の漁船も操業できることになっているが、韓国側が武装して監視を強めているため、近づけない状況にある。

TPP(環太平洋経済連携協定)

 TPPはTrans-Pacific Partnership Agreementの略で、太平洋を囲む国が輸入品にかける関税を原則撤廃し、人、モノ、カネの移動を自由にしようという約束だ。2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が結んだ協定が土台となっており、09年11月に米国のオバマ大統領が参加を表明し、注目を集めるようになった。

 10年3月に米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムが加わり、その後にマレーシアも入って9カ国になり、現在ルールづくりなどの交渉を進めている。日本は10年10月に当時の菅直人首相が所信表明演説で「TPP交渉などへの参加を検討」と宣言。野田佳彦首相もオバマ氏との会談で、参加に向けた協議加速を表明した。大きな打撃が予想される農畜産業界などを中心に反発が強く、TPPを巡る姿勢が総選挙の争点の一つになっている。

 TPPは原則として全品目の関税を即時、あるいは段階的になくす内容となっているが、交渉国にはそれぞれ保護したい品目があるため、例外ができる可能性もある。日本の場合は、コメを例外にできるかが焦点となっている。TPP交渉は関税を含め、金融や政府調達、競争政策など21の分野にまたがっている。

普天間移設問題とオスプレイ配備

 「世界一危険」と言われる米軍普天間飛行場は、沖縄県宜野湾市にある米海兵隊の航空基地で、約480ヘクタールの敷地に2800メートルの滑走路1本を備えており、同市の面積の約25%を占める。

 同飛行場について、日米両政府は同県名護市辺野古へ移設することで合意しているが、県外移設を求める沖縄県側の反対は強く、実現の見通しは立っていない。

 県内で起きた米兵による少女暴行事件がきっかけとなり、県内の米軍基地の整理・縮小を盛りこんだ日米特別行動委員会(SACO)合意が交わされ、同飛行場の県内移設などが盛りこまれた。2006年に両政府が合意した在日米軍再編の行程表では、14年までの辺野古移設完了を決めたが、09年の衆院選で、当時の民主党の鳩山由紀夫代表は「最低でも県外」と主張。首相就任後に鹿児島県・徳之島などへの移設を検討したが、地元の反対が強く、10年5月に県外移設を断念。11年6月に両政府の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、辺野古に「V字」の滑走路を持つ代替施設をつくることで合意した。12年2月には、普天間移設と切り離して在沖海兵隊の一部を国外移転することで日米が合意し、同飛行場の固定化が懸念されている。

 一方、米政府はヘリコプターのように垂直離着陸ができる回転翼機能と、飛行機のような固定翼機能をあわせ持つ新型輸送機「オスプレイ」計24機を同飛行場に配備することを計画。12年10月に12機が配備された。

 オスプレイは、老朽化が進む輸送ヘリCH46の後継機で、最大速度はCH46の約2倍の時速約520キロ。兵員輸送力は2倍の24人で、航続距離は5倍以上の3900キロ。開発段階から事故が相次ぎ、12年4月にモロッコで、6月に米フロリダ州で墜落。市街地にある同飛行場への配備に対し、沖縄では「危険性が高い」として反対が広がっている。

ねじれ国会

 衆議院と参議院で、それぞれ多数派の政党が異なる状態を「ねじれ国会」と呼ぶ。自民党と公明党が与党だった2007年7月の参院選で、野党だった民主党が大幅に議席を伸ばして参院で与党を上まわり、ねじれ国会が生じた。

 ねじれ国会では、なかなか法案が成立せず、政権が立ち往生する事態が続いた。08年3月には、参院で日銀総裁人事の同意を得られず、戦後初めて日銀総裁が空席となった。また、参院が税制関連法案を採決せず、暫定税率が期限切れを迎え、一時的にガソリンが値下げされた。09年総選挙で民主党が大勝し、ねじれは解消されたが、10年7月の参院選で民主党は議席を大きく減らし、再びねじれ国会となった。

 ねじれ国会で増えたのが閣僚に辞任を迫り、首相に退陣や衆院解散を求める問責決議だ。衆院の内閣不信任決議と比較されるが、不信任決議は可決されると、首相は衆院を解散するか内閣総辞職しなければならないと憲法に定められている。

 一方、参院の問責決議に法的効力はないが、「失格」の烙印(らくいん)を押された人が絡む法案の審議を拒むことになり、野党主導の参院が空転するなど、国会運営が難しくなる。08年6月に福田康夫首相に対し、現憲法下で初めて問責決議が可決された。09年7月に麻生太郎首相、12年8月に野田佳彦首相に対し、それぞれ問責決議が可決された。

過去の主な衆院解散・総選挙
  • ・バカヤロー解散(1953年3月 吉田茂内閣)  衆院予算委員会で質問に立った社会党の西村栄一氏に、吉田首相が「バカヤロー」と発言。これが問題になり、内閣不信任案が可決されたため、解散。
  • ・黒い霧解散(1966年12月 佐藤栄作内閣)  閣僚の不祥事や自民党政治家のスキャンダルが相次いで明るみに出るなど、国民の政治不信を背景として行われた。
  • ・ロッキード選挙(1976年12月 三木武夫内閣)  ロッキード事件の発覚で、国会審議が混乱。自民党の多数派が「三木おろし」に動き、解散権行使を阻まれたこともあって、戦後初の任期満了選挙に。自民党が大敗し、三木首相は退陣した。
  • ・ハプニング解散(1980年5月 大平正芳内閣)  自民党非主流派が多数、本会議を欠席したため、大方の予想を裏切って、内閣不信任案が可決される展開になり、解散。初の衆参同日選挙になった。大平首相が選挙中に死去し、自民党が大勝した。
  • ・死んだふり解散(1986年6月 中曽根康弘内閣)  中曽根首相が、解散がないように見せかけて通常国会を閉幕。直後に臨時国会を召集して、冒頭で解散した。自民党が大勝し、中曽根首相の任期延長につながった。
  • ・新選挙制度解散(1996年9月 橋本龍太郎内閣)  衆議院の選挙制度が、中選挙区制から現行の小選挙区比例代表並立制に変更されて初めて行われた選挙。自民党は過半数には及ばなかったものの、一党支配を崩された93年の前回総選挙時から復調した。
  • ・郵政解散(2005年8月 小泉純一郎内閣)  小泉首相が強いこだわりを持っていた郵政民営化法案が、自民党内からの造反で参院で否決されたことを受け、「国民に聞いてみたい」と解散。郵政民営化に反対する造反組には「刺客候補」を擁立するなど、対決姿勢を鮮明にし、自民党が大勝した。
  • ・追い込まれ解散(2009年7月 麻生太郎内閣)  「選挙の顔」と期待され、08年9月の就任直後の解散に意欲を示した麻生首相だが、世界的な金融危機への対応を優先する形で、解散を先延ばしに。その後もタイミングを失い、事実上の任期満了選挙へと追い込まれた。
     総選挙では「政権交代」の是非が最大の争点となり、民主党が300を超える議席を獲得して大勝し、政権交代を果たした。自民党は1955年の結党以来初めて第1党の座を失った。
衆議院と参議院

 国会は憲法41条で「国権の最高機関」と規定され、衆議院と参議院で構成されている。衆院の定数は480で、参院は242。任期は衆院は4年だが、首相が解散に踏み切れば、任期はその時点で終わる。参院は6年(3年ごとに半数を改選)で解散がない。衆院議員になれるのは25歳以上で、参院議員は30歳以上。

 予算案や条約、法律案を審議し、内閣総理大臣を指名するのは衆院も参院も同じだが、両院の議決が異なる場合、憲法は衆院の優越を定めている。これは解散がある衆院は、参院と比べ、選挙を通じ、より直近の民意が反映されていると考えられるからだ。

 予算案と条約、首相の指名は、両院協議会を開いて話し合ってもまとまらない場合、衆院の議決が国会の議決となる。法律案は参院が違う議決をしても、衆院で出席議員の3分の2が賛成すればそれが国会の議決となる。

 「代議士」という言葉は通常、衆院議員だけに用いられる。元々は国民の代表を意味する言葉だが、戦前の帝国議会時代、選挙で選ばれる衆院議員だけに使ったことから固定化した。

小選挙区比例代表並立制

 「政治腐敗の防止とカネのかからない選挙の実現」を目指し、1994年の政治改革で導入が決まり、96年の総選挙から実施されている。それまでの中選挙区制と比べ、二大政党化を促す仕組みとなっている。

 当選者1人を決める300小選挙区、政党の得票数に応じて11ブロック(北海道、東北、北関東、南関東、東京、北陸信越、東海、近畿、中国、四国、九州)ごとに当選者を決める比例区(定数計180)を同時に実施。有権者はそれぞれ1票を投じる。

 比例区の議席配分はドント式。当選者は、各政党が事前に発表した名簿順位にしたがって決まる。政党公認の小選挙区の候補者は比例区にも重複立候補できる。この場合の政党は、(1)国会議員5人以上(2)直近の総選挙か参院選(選挙区、比例区どちらかで可)で得票数が全国の有効投票数の2%以上――のいずれかを満たさなければならない。

 重複立候補した候補者が小選挙区で当選すれば、小選挙区を優先。小選挙区で落選しても、比例区の名簿順位が当選圏なら、比例区で「復活当選」する。重複立候補した候補者の名簿順位が同じ場合、小選挙区の当選者の得票に対して何%の得票をしたかを示す「惜敗率」が高い候補から順に当選が決まる。


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