第44回総選挙は11日の投開票に向け、大詰めを迎えた。自民党が県内小選挙区の独占を維持するのか、民主党など野党が議席を奪うのか。全国的には政権交代がかかった選挙でもある。県内4小選挙区の候補者17人は、街頭や集会で郵政民営化や雇用、憲法の問題を取り上げ、懸命に支持を訴えてきた。投票は11日午前7時から午後8時まで、県内1012カ所の投票所で行われる。
■1区
6候補とも選挙カーがフル回転。市街地では頻繁にすれ違うほどの激しい戦い。
渋谷哲一氏は「しがらみのない私に改革をやらせて下さい」と世代交代を説いている。
高柳博明氏は毎日20カ所近くをこまめに回る。比例区の議席の維持も目指している。
横山北斗氏は、公示後、郡部から青森市に重点を置く。自民との対決姿勢を鮮明にする。
津島雄二氏は、後半、青森市内での演説が目立った。党税調会長の実績を前面に押し出す。
升田世喜男氏は歌手の吉幾三さんや倉木麻衣さんらの応援を受け、無党派層への浸透を図る。
仲谷良子氏は「女性の視点を国政に生かしたい」として、1区全域を回っている。
■2区
下北半島から十和田湖まで広い選挙区域を4人の候補者はくまなく回っている。
江渡聡徳氏は内閣府政務官として取り組んだ地域再生の実績を強調。組織を生かした運動だ。
中村友信氏は自民党批判。田名部匡省参院議員の応援演説も受け、「田名部票」獲得も目指す。
下北半島出身の木下千代治氏は半島の地域振興策を強く訴え、地元票の掘り起こしを狙う。
市川俊光氏は演説で比例区前職の紹介を欠かさず、比例区への投票を強調する。
■3区
自民、民主、共産の政党対決が鮮明となった。
大島理森氏は「改革の実行を試される選挙」と位置づける。三村知事の応援も得て、八戸市内を中心に票固めを狙う。
「確かな野党が必要だ」と訴えるのは松橋三夫氏。比例区を意識して党としての訴えを前面に出す戦術だ。
田名部匡代氏は「政治を変える好機」とアピールする。地区ごとの個人演説会よりも街頭での訴えを重視する。
■4区
郵政民営化で保守分裂、自民の「本流争い」の様相も強まっている。
「反小泉」を前面に選挙活動をした津島恭一氏。郵政民営化法案への反対を貫いている。
船水奐彦氏は社会保障の充実、憲法改正反対を訴える。二大政党制を批判し、存在感を出す。
渋谷修氏は商店街を歩くなどして市民の声を拾い続けた。03年総選挙とは「反応が違う」。
木村太郎氏は46カ所で総会。安倍晋三氏、橋本聖子氏の応援も得て、組織力の強さを見せる。