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【兵庫】

改革と現実と〈上〉郵政民営化 合理化へぬぐえぬ不安

2005年09月07日

 深い山々に囲まれた養父市大屋町若杉地区。一人暮らしの譲尾じつゑさん(84)は、10キロ近く離れた大屋郵便局からやってくる赤いバイクの音が待ち遠しい。

 山道が雪に覆われる冬場でも、必ず家の前を通ってくれる。配達に来る局員は全員、顔見知り。月に2度ほど、地域の子どもたちから高齢者を励ます絵はがきが届く時は、配達員との会話も弾む。

 近くにある簡易郵便局に、留守中のネコの世話を頼むこともある。

 郵政民営化法案が参院で否決された日、テレビの国会中継をずっと見ていた。「郵便局がなくなったら大変。でも小泉さんはそんなことない、と言ってますから信用しとります」

   ■   ■

 04年度の郵便事業は全体で283億円の黒字。だが、電子メールの普及などで、収入は年々減りつつある。大屋郵便局を含め、全国に2万4000以上ある局の大半は採算割れだ。

 大屋郵便局は約1200戸の配達を受け持つ特定郵便局。11人の職員に加え、パートの配達員も雇う。「決して効率がいいとは言えませんね」。5代目の衣川誠一郎局長(32)が苦笑いした。

 この地域では、宅配業者が顧客から預かった配達物の一部を郵送している場合もある。過疎地の集落まで自前で運ぶより、郵便で送った方が安上がりだからだ。地元では「局が民間企業になれば、いずれ合理化は避けられないだろう」との不安がぬぐえない。

   ■   ■

 豊岡市の城崎温泉駅から車で5分。テニスコート3面を備えた保養施設「かんぽの宿・但馬海岸豊岡」は84年、リゾートブームに先駆けて建設された。

 温泉街の近くにあるのに、天然温泉はない。04年度、収入を支出で割った収支率は90%で赤字だった。水口順路総支配人は「本来、施設は簡易保険加入者への利益還元が目的。もうけは考えていなかった」と説明する。

 全国に約70軒ある「かんぽの宿」の過半数が収支率で100%を割る。3月末、特に経営状態が悪い北海道と青森の2軒が閉鎖された。日本郵政公社は07年3月末までに赤字の施設を原則廃止する方針を打ち出している。

 全国の郵便局が簡保と郵便貯金で集めた資金は約330兆円。潤沢な郵政マネーがこうした施設だけでなく、「第2の政府予算」として無駄な公共事業を生み出しているとの批判は根強い。五十嵐敬喜・法政大教授は「郵政事業が民営化されれば、『かんぽの宿』のように採算に合わない事業には投資できなくなる」と指摘する。

   ■   ■

 瀬戸内海に目を向けると、98年に改装された「かんぽの宿赤穂」がある。収支率は04年度で120%。すべての客室から海が臨め、設備の割に値段が手頃なのが「売り」だ。

 ただ、税制面で優遇されている施設に対し、周辺の旅館業者からは「民業圧迫だ」との声が聞かれる。赤穂旅館組合の田淵新太良組合長は疑問を投げかけた。「同じ土俵で競争してもらうのが前提。民間の施設がない地域ならともかく、そもそも官が経営する必要があるのか」

   ×   ×

 総選挙の投開票が11日に迫った。負担増への流れが強まる中、各政党や候補者たちの訴えから、何を読み取るのか。「改革」が連呼される街角や農村で、移りゆく暮らしの「現実」を見つめた。


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