アサヒ・コム 2005総選挙 このサイトの使い方へ 検索へジャンプ メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

社会   スポーツ   ビジネス   暮らし   政治   国際    文化・芸能    ENGLISH   マイタウン

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ  >  2005総選挙 >  地方ニュース >  高知記事
【高知】

山間の今〈上〉郵政民営化 「収支で計れぬ地域拠点」

2005年09月06日

 四国カルストのすそ野に広がる梼原町四万川(しまがわ)地区。そこを流れる四万十川の源流域におばあさん(90)が独り住んでいる。夫に先立たれて二十数年、地域の人は親しみを込めて「ばあ」と呼ぶ。

 四万川地区は広さ約46平方キロ。273世帯688人(7月末現在)が暮らし、うち65歳以上の高齢者が46%を占める。

 ばあさんの家は地区中心部から愛媛県境へ約4キロ離れた県道沿いにある。足腰は達者で2日に一度は数百メートル離れた畑に行き、カボチャや大根、小豆を収穫する自給自足のような暮らしぶり。月2回ほど、隣に住む弟の車に乗せてもらい、峠を越えて愛媛県鬼北町までみそやしょうゆを買いに行くのが楽しみだ。

     ■

 買い物用の現金は郵便貯金の年金から引き出す。一番近いのは地区中心部にある四万川郵便局だ。銀行はさらに約10キロ下った町役場の近くにある。郵便局に行く日は午前7時半ごろ自宅の前を通るバスに乗り、8時前に着く。業務が始まる9時まで局舎前のベンチに座って待つ。バスの運賃は230円。乗りそびれるとタクシー代が1100円かかる。

 正月用の餅を作ると、静岡や愛媛県、高知市に住む親類に郵便小包で送る。四万川郵便局に電話すれば、吉田尚人局長(45)が取りに来てくれる。

 郵政民営化法案が参院で否決された8月8日、テレビを見ていたばあさんは吉田局長に「よかったね」と電話した。郵便局がなくならないかと心配していて、「今以上に遠くまで行くのは大変やき」。

     ■

 「郵貯、簡保という官の資金を民へと振り替え経済を活性化させる」と郵政民営化を進めようとする小泉改革――吉田局長は「改革は必要。だが、郵便局には収支だけでは計れない地域での役割がある。それが、民営化後も守られるかどうか不安だ」。町内のある自民党員も「首相は改革後のビジョンを示すべきだ。手を付けやすいところを集中的に狙う手法に、納得がいかない」と話す。

 高知中央郵便局によると、郵便貯金の受け付けや郵便の窓口業務などをする四万川のような無集配特定郵便局は、県内に149局ある。このうち黒字なのは15局。四万川郵便局について、吉田局長は「収支はとれていないと思う」。

     ■

 土佐経済同友会の地方行財政改革委員長、久松朋水さんは語る。「国も自治体も財政破綻(はたん)。官から民への構造改革が必要だ。過疎地の郵便局を残す議論は大切だが、郵政民営化法案が成立しなければ、改革が2年ぐらい後退すると感じている」

 社長を務める農業機械のつめ部品メーカー「太陽」(本社・高知市)は、同部品では全国シェアの4割を占める。従業員の発案で機械の動き方を工夫したり人員補充を抑えたりし、コスト削減を図り利益をあげてきた。

 郵政民営化を歓迎する久松さんは「公務員が努力していないとは言わない。だけど、厳しい競争にさらされている民間の方が無駄のない効率的な事業展開ができるはず」と考えている。

     □

 自由民権運動を担った植木枝盛はしるした。「自由は土佐の山間より」。先人たちの知恵や地域の誇り、自立的な精神をはぐくんできた自然豊かな土佐の山間が、少子高齢化や過疎化にあえいで久しい。さらに、そこへ押し寄せてきているのが「構造改革」という波だ。その先には何があるのか。


ここから検索メニュー

検索 使い方

検索メニュー終わり

選挙速報は携帯でも

»詳しくはこちらから

Flash

カギを握る4つの数字

総選挙後の国会勢力

総選挙の構図

郵政反対の自民前職
がいる選挙区の構図

党首の訴え

7党首の演説・記者
会見の内容は

マニフェスト

年表

郵政民営化Q&A

選挙CD-ROM商品

▲このページのトップに戻る

asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.