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【長崎】

改革を追う・1 郵政民営化:島の配達、切り捨て懸念

2005年08月24日

 汽笛が響くと、彼女は港の待合室でがま口型の黒いカバンを肩に掛けた。はがきや封筒がぎっしり詰まっている。

 毎朝午前10時、県北の港を出る定期船に乗る。行き先は郵便局のない離島。本土の郵便局から委託された配達人である。

 波に揺られて30分ほど。島の港で自転車に乗り換え、約60世帯に平均100通前後の郵便物を配る。港近くのポストで郵便物を回収し、帰りの定期船に乗るのは正午前だ。

 「あんたは、どがんなるとや」。今月上旬のある日、郵政の行く末を心配する島の人から声をかけられた。

 「わたしは何もわからないよ。でも民営化して、『辞めて』と言われたら辞めるしかないだろうね」と答えた。

   ■   ■

 10年前、島に住むおじからこの仕事を引き継いだ。休みは日曜日と元旦だけ。速達があれば日曜でも朝一番で届ける。お中元やお歳暮の季節には台車を押して坂道を上り下りする。その繰り返しだ。

 60歳を過ぎ、体にこたえる。離れて暮らす家族からは会うたび「もう辞めたら」と言われる。郵便局からの委託料は年間160万円余。子どもたちも手を離れ、生活の心配はない。郵政民営化は「時代の流れなら仕方ない」と割り切っている。

 気がかりなのは島のお年寄りたちだ。配達に回っていると、独り暮らしのお年寄りから保険や年金の相談を持ちかけられる。「船で本土に渡るのがつらいから」と、振り込みを頼まれたこともある。

 政府は「郵便ネットワークは維持する」というが、約束をどこまで守ってくれるのか。島では、民間の宅配業者は戸別配達も回収もしない。銀行もない。「民間にできることは民間で」と言われても、民間はやってくれない島なのだ。

 離島や山間部を受け持つ郵便局は彼女のような民間人に配達を委託し、ネットワークを維持してきた。九州に218カ所、県内に34カ所ある。

   ■   ■

 元九州特定郵便局長会副会長の筒井寿さん(70)はこう話す。「往復に何時間もかかる離島に、50円のはがき1枚を配達することが、市場原理にかなうはずがない」

 日本郵政公社によると、郵貯や簡保を除く郵便事業に限ると、県内311の郵便局のうち黒字なのは14局しかない、との試算もある。

 筒井さんも、郵貯の資金が財政投融資で特殊法人に流れる今の仕組みに問題があることは分かっている。しかし、道路公団や行財政の改革は中途半端に終わっているのに、なぜ郵政だけがやり玉に挙げられるのか。「かつては利用者のことをあまり考えない郵便局も一部にあった。信頼を失ったツケが今に回ってきている」と思うこともある。

 小泉政権は支持できないが、すんなり他の政党に乗り換える気にもなれない。特定郵便局長のOB会は総選挙での自主投票を決めた。

 「自民党との結びつきが強すぎて、選挙で身動きがとれない人も少なくない。しかし、いつまでも政治の顔色をうかがっているようでは、利用者からますます見放されてしまう。『地域とともに』という原点に立ち戻らないと」

    ◇

 郵政民営化関連法案の否決に端を発した衆院選が近づく。小泉首相が進める「改革」は、人々の暮らしに何をもたらしているのか。長崎が抱える課題を通して有権者の思いを追った。


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