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【長崎】

改革を追う・4 公共事業削減 政治に翻弄、冷めた目

2005年08月27日

 諫早湾の船着き場で、諫早市の建設会社社長(52)は、漁船をいつでも動かせるように点検を続けている。

 「今まで干拓で食いつないできたが、この先どうなるか。いざとなれば漁師に戻るしかない」

 十数人の従業員のうち半数を、国営諫早湾干拓の堤防建設に派遣している。工事完了まであと2年。公共工事が減り続けるなか、会社の将来が描けない。

   ■   ■

 社長はかつて、干拓事業に反対した漁師の1人だった。

 20年近く諫早湾でタイラギを採った。1キロあたり2000円で取引される高級貝が、日に100キロも採れたこともある。

 「漁にはさほど影響がない」という国や県の説明は信じられなかった。しかし、国から委託を受けた県は、約100人が所属する漁協に総額約15億円の補償を約束。初めは反対していた漁師仲間も同意に転じていった。社長も最後は同意書に判子を押し、約1500万円を受け取った。

 工事が本格化した91年ごろ、水揚げが激減した。潮受け堤防の建設が始まった翌年の93年にはほとんど採れなくなった。タイラギ漁は休漁に入った。

 農水省の出先機関の担当者から、建設業への転身を持ちかけられたのは、そんな時だ。「食いつなぐためには仕方ない」と、重機の免許を取った。94年夏、漁師仲間と市内に事務所を構えて社長についた。地元の青年を雇い入れ、大手ゼネコンの孫請けに加わった。

 昨年8月、佐賀地裁の仮処分決定で工事が約9カ月間、中断した。会社は干上がった。県や市が発注する仕事を探したが、ありつけなかった。知り合いの土建会社に頼み込み、従業員を派遣して食いつないだ。

 5月の工事再開後、堤防建設の孫請けに戻ったが、事業はすでに94%が終了している。

 漁師に戻るにも、魚介類の宝庫と言われた諫早湾にかつての面影はない。「海が元に戻ってくれないことには漁ができない。工事を見直し、水門を開けてほしい」

   ■   ■

 財政再建を掲げる小泉政権は02年度以降、最大で10%の公共事業費を削減した。県の公共事業費も、01年度当初予算では2470億円だったが、05年度は1660億円だ。

 その中で、諫早湾干拓事業は「聖域」のように予算がついた。02〜04年度は農水省の要求通り60億〜70億円、工事の中断中に編成された05年度予算でも、概算要求105億円に対し90億円が認められた。

 地元市議は「やはり地元の自民党の国会議員の力が大きい。東京でにらみを利かせてくれる」。

 整備新幹線九州ルートをめぐっても昨年12月、政府と与党の話し合いで、武雄温泉―諫早間の着工が条件付きで認められ、今年度予算で10億円が計上された。

 干拓工事が始まって16年。巨大事業の潤いに吸い寄せられ、翻弄(ほんろう)されてきた建設業者が、政治のぶら下げる新たな「蜜」に向ける目は冷ややかだ。諫早市の建設会社の役員は言う。

 「新幹線が着工されても、ほとんどが専門技術が必要なトンネル工事。地場にはほとんど落ちてこない。もう政治に期待しても仕方がない」


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