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【滋賀】

「改革」のはざまで〈上〉障害者自立支援 1割負担に危機感 

2005年09月07日

 通常国会開会中の東京・永田町で7月5日、障害者ら約1万人が声を上げた。「障害者自立支援法案は自立を妨げるものだ」。その中に、身体障害者団体「滋賀肢体障害者の会 みずのわ」の会長の今若狩太郎さん(55)=東近江市=もいた。

 身体・知的・精神の障害者が受ける福祉サービスに本人の原則1割負担を求める同法案は衆院解散で廃案になったが、総選挙後の国会に再提出される見込みだ。

 今若さんは「成立すれば、今の収入では生きていくだけで精いっぱい。閉じ込められたような生活に戻ってしまう。選挙で各党の議論がもっと聞きたい」と話す。

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 今若さんは東近江市内の市営住宅で、約10年前から車いすで一人暮らしを続けている。骨がもろく、折れやすい先天性の骨形成不全症。平日は市内の作業所へ通い、パソコンを使って作業所の日程表などを作っている。

 週3回各2時間、入浴補助や夕食の準備のため、ホームヘルパーを利用しているが、現在の制度では今若さんの個人負担はない。だが、法案が成立すればこれらのサービスに1割の負担が求められる。今若さんの場合、障害の程度や収入から2万4600円が請求されるという。

 障害基礎年金(1級)約8万3000円と特別障害者手当約2万6000円、そして1万円に満たない作業所の工賃が今若さんの1カ月の収入だ。家賃約2万、光熱費や食費として3万円余り、健康保険料や衣服、携帯電話などにかかる費用などを差し引くと、今でも生活に余裕はない。

 自立支援法案は、施設が中心になって担っていた障害者支援を、就労などを支えることで地域にシフトしていくのが狙いだとされている。今若さんもその「理念」は評価する。しかし、現実は厳しい。「切りつめて町に出て服を買ったり、ほかの障害者と交流したりすることはできなくなる。閉じこもり、ただ生きているだけの日々になります。法案の『自立支援』という文言には空々しい感じを受けます」と話す。

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 障害者福祉の制度は03年度から大きく変わり、行政が障害の等級などに応じてサービスの内容と量を決める「措置制度」から、障害者本人が希望するサービスを選び、市町村に申請する「支援費制度」へとシフトした。それに伴い費用も膨らみ、身体・知的・精神の障害者の在宅サービスに対し、国が支出した額は02年度には527億円だったが、04年度は915億円になった。個人負担を盛り込んだ自立支援法案にはこれらの費用の増大を抑える目的もある。

 脳性マヒで車いす生活をおくる滋賀自立生活センターの垣見節子代表は、この費用の増大こそが「障害者が自立の道を歩み始めた結果」と前向きに受け止めている。「家に閉じこもり、社会からおこぼれ的に生かされていた多くの障害者がやっと自分の望む生活を得て生きる喜びを感じようとしていることが問題なのでしょうか」と問いかける。

 同時に、垣見さんは「障害者の『自立』を促すだけの環境はまだ整っていない」と指摘する。

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 政府は、自立しようとする障害者のために就労の機会を拡大しようと、通常国会で、改正障害者雇用促進法(06年4月施行)を成立させた。

 従業員の1・8%を身体・知的障害者とする法定雇用率の対象に、新たに精神障害者を加えた。しかし、法で定められた人数の障害者を雇っている企業はまだ少ない。厚労省によると、法の適用を受ける56人以上の従業員を抱える全事業所のうち、法定雇用率を達成していない事業所は58・3%にものぼる。

 県内の男性(39)は、約5年前に統合失調症と診断されたが、それからも病名を隠してバイク便、派遣会社などを転々としてきた。今は無職だ。「働く場があれば、どこでも働きたい」と言うが、法ができたからといって、病名を明かして雇用促進法の恩恵を受けようとは思っていない。「自分への見方が変わるのではと思うと、誰にも話せない。受け入れる企業側の障害者への理解が深まらない以上は、雇用は進まないと思う」

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 自立支援法案の対象となる障害者は県内に計約6万人。県人口の4%以上にあたる。衆院の採決で、自立支援法案には自民・公明の与党は賛成し、民主、共産、社民は反対した。計約190時間にわたって審議された郵政民営化関連法案に比べ、自立支援法案の審議時間は3割ほどの約57時間だった。

 今若さんは、衆院選の選挙戦で「どの党も障害者福祉をどうしていきたいのかを十分には語っていない」ともどかしさを感じている。

     ◆     

 突然の衆院解散で廃案になったのは、郵政民営化関連法案だけではない。「改革」が叫ばれる総選挙のはざまで、語られることの少ない課題を3回に分けて紹介する。


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