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【滋賀】

「改革」のはざまで〈中〉臓器移植 ハードル高い助かる道

2005年09月08日

 長浜市神照町の藤田誠一さん(35)には、忘れられない言葉がある。「日本人が大金を積んで臓器を買いに来たと言う人たちもいる」。心臓移植のため渡ったドイツで、日本人医師から教えられた。

 藤田さんは、99年に心室の筋肉の収縮力が弱くなる拡張型心筋症と診断された。心臓移植以外に助かる道はなかった。症状が悪化した03年末、補助人工心臓をつけた。姉がすぐに海外での手術の道を調べ、友人らが協力して渡航や手術費のための募金を始めた。

 海外での移植には、移動中の飛行機や渡航後の待機期間中に症状が悪化するというリスクもある。それでも渡独したのは、補助人工心臓で延命できるのが「長くて2年」と告げられていたからだった。

 昨年6月に移植手術は無事終わり、帰国。今は、発病前のように日常生活を送れるようになった。藤田さんは言う。「僕は、幸運だった」

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 脳死者からの臓器提供を初めて認めた臓器移植法は97年に施行された。臓器提供には、15歳以上の人が生存中に臓器提供の意思を書面で示す▽遺族が摘出を認める▽医師が脳死と判定する――という高いハードルが設けられた。このため、臓器提供者(ドナー)が現れることは少なく、施行後8年間で臓器提供者はわずか38人にとどまっている。ドナーカードと呼ばれる臓器提供意思表示カードをいつも身につけている人の率も、昨年の内閣府の調査ではわずか4.4%だ。

 同法は臓器移植が進まないこのような状況を想定して、2000年をめどに臓器提供の手続きなども含め見直されることになっていた。しかし、「ひとの死」に触れる問題だけに、与党内でも調整は難航し、法改正は見送られてきた。

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 「移植できずに亡くなった人を嫌というほど見てきた。郵政民営化も大事かもしれないが、これは二の次というわけにはいかない問題だ」

 藤田さんの渡航の準備などを手伝った移植支援団体の「トリオ・ジャパン」(東京都)の事務局長、荒波嘉男さん(63)の訴えは切実だ。荒波さん自身も国内では移植できなかった86年、15歳の娘を胆道閉鎖症で失った。

 荒波さんらは、現行法の条件緩和が必要と、自民・公明の議員らと意見交換するなどして法改正の必要性を訴えてきた。

 そして、ようやく今年、ドナーが臓器を提供しないという意思を表示している場合を除き、提供者の年齢にかかわらず遺族の同意だけで提供を認める案と、提供可能年齢を現行の15歳から12歳へと引き下げる案の2法案がまとまった。

 しかし、法案が自民・公明両党の議員によって衆院に提出されたその日に、小泉首相は衆院を解散した。待ち望んだ改正法は廃案となった。総選挙後の特別国会に再提出される見込みだが、すぐに可決される保証はない。

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 10年前に腎不全と診断された林繁晴さん(54)=甲賀市甲南町野尻=もまた臓器移植法の改正の行方に注目していた1人だ。

 7年前、父が山で滑落して脳死状態になったが、父はドナーカードを持っていなかった。腎臓の場合は、ドナーの心停止後であっても遺族の同意があれば移植が可能だが、医師らが教えてくれた記憶はない。今年3月、腎臓移植を希望し、日本臓器移植ネットワークに登録した。

 林さんが登録した今年3月、林さんも所属する県腎臓病患者福祉協会は、移植医療の環境充実などを求める約2万人分の署名を集め、県選出の与野党の国会議員6人に手渡した。しかし、署名は解散で宙に浮いた。会長の上田友久さん(64)は「また、集め直すしかありません」と肩を落とす。

 同協会の入会申込書に「移植希望」と書いた約230人の会員のうち、ネットワークへ実際に登録している人は約80人に過ぎない。腎不全の上田さんも「今のドナー数では待っていられない」と登録せず、人工透析を続けていく覚悟をしている。


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