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〈年金問題を探る:上〉記録漏れ 募る不信

2007年07月19日

 参院選で、各党党首が第一声で触れるなど最大の争点となっているのが年金問題だ。6月中旬、5000万件の年金記録が統合されずに「宙に浮いていた」ことが明らかになり、社会保険庁によるずさんな記録管理が発覚した。有権者の実情と、岐阜選挙区(改選数2)に立候補した3人の主張を探った。

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待ち時間は60分。年金相談が急増し、職員は対応に追われる=岐阜市の岐阜南社会保険事務所で

 「ああ言えば、こう言う。正直に言わないで逃げ道ばかり探している」

 本巣市の女性(58)は7月上旬、テレビの討論番組を見て腹が立った。年金問題で釈明する政治家たちは「何か隠している。選挙の後、まだ何か(不祥事が)出てくる」と思えてならない。

 受給年齢が近づき、年金の加入記録を調べてみた。結婚前に大阪府の紡績会社に約1年、岐阜市の繊維問屋に3年ほど勤めたが、記載がない。

 7月に社会保険事務所で旧姓と会社名を告げると、すぐに記録漏れだったことが分かった。「事務所に来なかったらそのままだったかもしれない。私は元気だから車で事務所に行ける。行けない人はどうするの」

 共済年金を受給している夫(64)も、高校卒業後に4年ほど岐阜市内の自動車関連会社に勤めた時の厚生年金の記録が抜けていた。申告したら、受給額が年間12万円ほど上乗せされた。

 夫婦は最近、参院選に向けた新聞記事やテレビ番組をよく見る。夫は「年金通帳も、いい提案だ」と、各党の政策に丁寧に目を通していた。

 別の岐阜市の男性(71)も「間違いなく払ったのに記録がない。これでは水掛け論になる」と憤る。社会保険事務所で調べたら記録が64年以降しかなかった。しかし、競輪選手として、その数年前から国民年金を納めたはずだった。

 妻(73)も「町内で3カ月ごとに300円集金された。当時の300円は、えらいこと。年金手帳にスタンプを押したので調べてみる」。記録が見つからなければ、総務省の「年金記録確認第三者委員会」に申し立てるつもりだ。

 県内の社会保険事務所には、年金の加入記録を確かめる人が殺到している。岐阜選挙区の3候補は、「記録をすべての加入者に通知すべきだ」という点では一致する。

 共産新顔の加藤隆雄氏(58)は「消えた年金問題で、一人も犠牲者を出さない」として、記録の統合に証言や申し立てを尊重すべきだとする。

 民主現職の平田健二氏(63)も「年金は私たちの暮らしで一番大切」と強調。徴収業務は国税庁と合併した「歳入庁」がすべきだと訴える。

 無所属元職の藤井孝男氏(64)=自民、公明推薦=は、社会保険庁を解体すべきだとした上で、「情報開示と、公正な管理システムを構築するべきだ」と主張する。

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