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根底に不満、自民の「集票マシン」緩むネジ

2007年07月10日

 4月の知事選で、大敗を喫した自民党県連が巻き返しをねらっている。議員の後援会が活動の中心となる衆院選に比べ、全県一区と選挙区が広い参院選は業界・団体の組織票なしには当選がおぼつかないからだ。「集票マシン」との呼び名もあった自民支持の業界・団体はいま――

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自民党県連との会合に集まった業界団体の関係者ら=9日、横浜市中区のホテルで

 9日、横浜市中区のホテルに、自民党を支持する県内約80の業界・団体の関係者が集まった。自民党県連が参院選に向けて開いた選挙対策の会議だった。

 「自民党を応援して下さる方々が本気を出せば、必ず勝てる選挙だ」

 党本部から訪れた中川秀直幹事長は、こうげきを飛ばした。

 自民県連にとって、今回の参院選は「敗者復活戦」でもある。知事選で、再選をめざす松沢成文知事に対抗し、自民県連は民間人の杉野正氏を擁立したが、約140万票を離されて大敗した。ほんらいなら自民支持の県医師会は公然と知事を推し、県建設業協会は知事にも杉野氏にも推薦は出さなかった。

 県連の竹内英明幹事長は「この参院選でもう一度、自民党の根っこである業界団体を耕さなければいけない」と必死だ。党所属の県議を業界・団体別に担当を割り振り、それぞれの支部組織まで回って、自民が擁立する小林温氏への支持を求めるようにしている。

 だが、業界側の自民への視線は必ずしも温かいとは限らない。

 県建設業協会は参院選で、小林氏と公明党の松あきら氏の2人に推薦を出した。この協会の幹部は「昔は会社に社員や下請けを集めて『この人に投票するぞ』と言えば、みんな拳を突き上げて『おー』と応えたものだけど、いまは個人を縛る力はない」と話す。

 以前は1000社を超えた協会の加盟社も、倒産や後継者不足などで脱退が相次ぎ、いまは約500社に減った。政府・与党の景気対策も企業減税や規制緩和策など大企業優遇とみられ、中小企業からの批判は根強い。

 「中小企業はあっぷあっぷだ。いまは協会の職員の給与を出すのも大変で、もう昔のような『集票マシン』ではない。『時の体制党』だから自民を支えているが、不満は大きい」と幹部は続けた。

 県医師会の大久保吉修会長も「政権党だから自民を支持せざるを得ないが、自民の医療政策に不満を感じている。党ではなくて候補者の人物で選ぼうという機運は組織のなかに出ている」と話す。

 自民が組織固めに躍起になるのは、同じ与党の公明党からの切り崩しもあるからだ。

 6月上旬、県歯科医師連盟と公明党県本部の幹部との間で、こんなやりとりが交わされた。

 公明幹部「松氏が厳しいから、支援してほしい」

 県歯科医師連盟幹部「票の一部を振り分けるから、比例で組織内候補を応援してほしい」

 日本歯科医師連盟は今回の参院選で、6年ぶりに自民から組織内候補を比例区に立てる。連盟が小林氏への票の一部を松氏に振り分ける見返りに、公明から比例区での協力を得る――。そんな約束が成立した。

 2年前の総選挙で、自民と決別した特定郵便局長OBらでつくる政治団体「大樹」にも自民側からの支援要請はあった。だが、大樹側は「うちは組織的な運動はしない」と断った。

 大樹の県支部の幹部は、こう話す。「自民のためにあれだけ票を集めたのに最後に裏切られた。郵便局の夢よもう一度と、国民新党を支援しようということになっているが、民営化の流れは決まっている。正直、選挙に労力を費やそうという気にはもうならない」

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