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〈熱風から2年:上〉「小泉」と「安倍」

2007年07月10日

 もう2年もたったのか。

 相模原市の31歳の主婦にとって、自民党候補に投票した「郵政民営化選挙」は遠い昔のできごとのようだ。

 05年9月11日、小泉・自民は圧勝した。神奈川では、18ある衆院小選挙区のうち16を制した。「政権交代」を掲げた民主党は選挙前の8議席をすべて失った。

 「自民党をぶっ壊す」

 当時の小泉首相が発した、そのひと言にしびれた。

 それまで、政治家を信用したことはなかった。「なんでも内輪で決める人たち」にしか映らなかった。

 ■「内輪の政治」

 相模原は、衆院小選挙区でいうと14区と16区からなる。住まいがある16区では現職衆院議員が病死したのに伴い、昨年10月に補欠選挙があった。

 だが、投票したのは民主の候補だった。自民の候補は、死亡した現職の長男。後継候補に当然のように2世を出すやり方に「内輪の政治」を再び感じた。

 5歳と3歳の子どもの育児に日々追われている。競合するスーパー4店舗のチラシを見比べては、少しでも安い商品を買い求める生活だ。今度の参院選の立候補予定者たちが、どんな人たちなのか、まだよくは知らない。

 ただ、国会で法案を次々に数の力で押し切って成立させた安倍・自民の姿に、政治が前にも増して、内に内に向かっている気がする。

 自民支持者のなかにも、政治不信は広がっている。

 「安倍政権には失望している」

 伊勢原市で飲食店を経営する男性(56)は、こう言った。

 2年前の参院補選は投票に行かなかったが、「郵政総選挙」も昨年の衆院16区補選も自民候補に投票した。

 ずっと自民支持だったが、小泉首相の「劇場型政治」を格好いいと思った。それが安倍政権に交代し、「論功行賞」と批判された閣僚の顔ぶれにまずがっかりさせられた。新味がなかった。

 「確実に日本の経済はよくなっている」と安倍首相は胸を張る。でも、その恩恵を感じたことはない。

 ■違和感を抱く

 安倍・自民にこれまでの自民政権と違う違和感を持つのは、首相が繰り返し声高に言う「戦後レジーム(体制)からの脱却」という国家路線に関してだ。

 「『美しい国』のキャッチフレーズといい、きなくささが漂う。国民の生活から離れた変なところに意固地になって腰が据わり、いやな感じがする。ここは田舎なので保守色が強い地域だが、今回の参院選には驚くほど冷めている」

 広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言して防衛相を引責辞任した久間氏の後継に、女性の小池百合子・首相補佐官を起用した人事にも、小手先の人気取りに走っているのではないかと首相の焦りを感じた。

 初めて自民以外の政党候補への投票を考え始めている。

 厚木市の事務職員の女性(52)も、ずっと自民に投票してきた有権者のひとりだ。

 安定した政権運営を考えれば自民しかないと、悩んだことはなかった。だが、今回は違う。

 安倍首相は一生懸命さはわかるが、政治家としてまだ重みがなく、党内をまとめ切れていないと感じる。そこが歯がゆい。

 「自民候補に投票して果たしていいのだろうか。かといって、民主党も頼りない。だれに投票すべきなのか、最後まで悩むと思う」

    ◇

 衆院16区の約40万人の有権者は、この2年間で05年9月の総選挙、10月の参院補選、06年10月の衆院16区補選と三つの国政選挙を経験した。彼らが個々の選挙にどう向き合い、どう判断して1票を投じてきたのか。それを通して、12日公示される参院選への有権者の意思を考える。

    ◇   ◇

■衆院16区有権者が経験した過去3回の国政選挙

◇衆院選16区(05年9月11日) 投票率64.77%

当)亀井 善之(自)   159,268

  長田 英知(民)    87,991

  桧山 千里(共)    21,504

◇参院補選(05年10月23日) 32.74%

当)川口 順子(自) 1,150,868

  牧山 弘恵(民)   765,589

  畑野 君枝(共)   375,507

◇衆院16区補選(06年10月22日) 47.16%

当)亀井 善太郎(自)  109,464

  後藤 祐一(民)    80,450

  笠木 隆(共)      9,862

(16区は厚木市、伊勢原市、愛川町、清川村、旧相模原市南部、旧津久井町、旧相模湖町、旧城山町、旧藤野町。参院補選の得票は全県分)

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