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〈熱風から2年:下〉だれに投票

2007年07月11日

 相模原市の74歳の男性は今回の参院選でだれに投票するか、ほとほと困っている。

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 元銀行員。定年になってから10年が過ぎた。自民党の「安定感」を信頼し、国政選挙では自民の候補への投票を重ねてきた。

 現職議員の死去に伴う昨年10月の衆院16区補選でも、悩むことなく「跡取り」の長男に投票した。2世だ、坊ちゃんだと言われようが、政治家は地盤、看板がモノを言う。実行力や安定感が違うと迷うことはなかった。

 安倍政権になり、自分の信念は崩れかけている。事務所経費の不透明処理や自殺、原爆投下をめぐる問題発言と、信じられないできごとで閣僚が相次いで交代した。年金記録問題では、野党の指摘を受けて後始末に追われる一方だ。

 なにより愕然(がくぜん)としているのは、老後の税負担の重みだ。老年者控除の廃止などで税負担は増した。

 「年金生活者にとって、こんなにこたえることはない。今回は自民に、きついお灸(きゅう)をすえるべきなのかどうか」

 候補者が地元に密着している衆院選と比べ、選挙区が広い参院選は政党で選ばれる度合いが強い。

 今回、自民にとっては逆風選挙となる。だが、野党政党にとっても、十分な追い風になっているとは言い難い。

 伊勢原市の30歳の無職女性は、05年の衆院選と参院補選、06年の衆院16区補選と、すべて民主党の候補に投票してきた。

 2年前に証券会社を辞め、いまは祖父、両親と3世代で暮らす。祖母が92歳で今年2月に亡くなってから、将来への漠然とした不安をいっそう感じるようになった。

 「両親はいつまでも若くはない。自分に介護ができるのだろうか」

 医療や福祉のニュースに目がいくようになったが、いい話は少なく、逆に嫌な気分になることが多くなる。国会終盤の与野党の攻防も、政党による「選挙前の実績づくり」にしか映らなかった。

 民主の候補に入れてきた、といっても、自民の候補が当選するんだろうなあと思いながら、圧勝は妨げようという意味で入れたに過ぎない。

 「民主から伝わってくるものは、これと言ってない」

 今回、だれに投票するか、これからじっくりと見極めるつもりだ。

 厚木市の63歳の女性も、ここ3回の国政選挙を民主候補に投票した。

 05年の衆院選は、当時の小泉首相の自分勝手なやり方に腹が立った。昨年の16区補選は「弔い合戦」ばかり強調する自民に反発した。

 でも民主も、野党だから実績がないのは仕方ないかもしれないが、いざというときには腰砕けになる政党という印象を持っている。

 ■演説魅力なく

 自治相を務めたことがある元衆院議員の田川誠一氏の選挙運動に会社勤めのころ、かかわったことがある。自民党時代に「ハト派」として活動し、離党して河野洋平衆院議員(現・衆院議長)らと新自由クラブを結成した政治家だ。解党後、メンバーは自民に復党したが、田川氏は戻らなかった。

 最近の候補者をみていると、政治家の質が明らかに落ちたと感じる。陣営で動員しないと候補者の演説に人が集まらないのは、無関心層が増えたからではなく、候補者の話に魅力がないからだ。どれだけ時代の使命感を持っているのか、と嘆きたくなる。

 でも、投票には必ず行くつもりだ。行かなければ世の中は絶対に変わらない――。そう思っている。

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