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〈問う 漂流・自民党:2〉選挙重ね、自公「融合」

2007年07月09日

 6月29日夜、衆院本会議で内閣不信任決議案が審議されていたころ、愛知県尾張地方の多目的施設で、自民系首長の後援会が役員会を開いていた。話題は、参院選愛知選挙区(改選数3)の対応。幹事長がマイクを握り、念を押すように言った。

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参院選愛知選挙区に立候補する公明党の山本保氏(左)と並んで、かけ声をかける自民党の伊藤忠彦衆院議員(中央)=1日、愛知県常滑市で

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 「自民党の候補者を応援はするが、投票はしない。投票では公明党の山本保と書く」

 参加者約40人の多くは自民党員。手元には同党の鈴木政二氏(59)のパンフレットがあった。マイクを渡されたスーツ姿の男性は、丁重に礼を述べた。

 「お世話になった方には『仕事』でご恩返しをさせていただきます」

 衆院議員を3期務めた公明党の木内良明都議(62)。約2カ月前に愛知入りし、山本保氏(58)の陣営に詰める。「仕事」とは次の首長選での協力のこと。会場から自然と拍手が起きた。

 前回の首長選は苦戦を強いられた。終盤、公明党の地方議員が選挙事務所に入り支持母体の創価学会が動いたことが、当選の大きな力になった。それが党の壁を越えて支援を決めた理由だ。後援会の幹部は「参院選で協力すれば、次の首長選につながる」と期待する。

   ■  ■

 99年に公明党と連立を組んで以来、自民党は公明党の協力抜きに各種選挙を戦えなくなった。4月の愛知県議選は、当選した自民県議57人のうち35人が公明推薦だった。小泉ブームの05年衆院選で、自民は県内15小選挙区で9勝6敗だったが、「公明党の支援がなければ、ここまで勝利できなかった」(県連幹部)。

 今回の参院選は、これまでとは逆の構図。民主党の2人擁立に危機感を持った公明党が、自民党に選挙協力を要請した。今までの「恩」が、自民党議員一人ひとりに重くのしかかる。

 1日、愛知県常滑市。自民党県第8選挙区支部総会で、支部長の伊藤忠彦衆院議員(42)が、約1000人の党員を前に声を張り上げた。

 「公明党の山本保候補にも勝利の栄冠を与えて頂きたい」

 山本氏と並んで「エイエイオー」と拳を突き上げ、会場を後にする参加者にも並んであいさつした。伊藤氏は「与党で過半数を守ることが大事という党の方針に沿っているだけだ」と言う。

 伊藤氏を支える県議の一人は「伊藤は衆院選では公明の世話になった。お返しして当然という雰囲気がある」。この県議は「自民党と公明党は融合が進んでいる」とも感じる。地元では選挙に限らず、自治体への陳情などで両党が協力する場面が多くなった。

   ■  ■

 一方、自民党内には、「自公融合」の危うさを指摘する声もある。ベテラン県議は「自公連立後に当選した議員は公明票をもらえるのが当たり前と思っている。公明が連立から離脱したら、どうするのか」と話す。

 党本部レベルで選挙協力に合意したことで、公明党も自民党に協力を頼みやすくなった。山本氏の後援会加入申込書を100枚単位で渡され、それに自らの支援者の名前を書いて返した自民党県議は複数に及ぶ。

 ただ、個人後援会や各種団体など、自分のどの組織を公明に回し、どこを「企業秘密」として守るかは、各自の判断だ。

 別のベテラン県議は警告する。

 「今後もし、自分の後援会名簿そのものを渡すようなことがあれば、それは自殺行為だ」

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