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〈問う 漂流・自民党:3〉業界団体、集票にかげり

2007年07月10日

 「自民党の支部組織はあるが、休眠状態。参院選で自民党を支援することはない」。参院選の公示を前に、特定郵便局長OBらでつくる「大樹」の愛知県幹部は、こう断言する。

 かつて全国で100万票を持つと言われた「自民党最強の職域組織」。大樹自体は今も県内に約2000人の会員を抱える。しかし、05年の郵政解散をきっかけに自民支持から離れた。当時、愛知県の自民党大樹支部の党員は特定局長の家族らを含め約5000人。それが今は数人という。

 10月には郵政公社が分割・民営化される。大樹は参院選で、「郵便、貯金、保険の3事業の一体化」を掲げる国民新党の比例区候補を推す方針だ。幹部は「応援した議員も次々、郵政民営化賛成に寝返った。政治家自体に不信がある」と話す。

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 年金、原爆発言、赤城農水相の事務所費。自民党への逆風は、日に日に強さを増す。大樹の支援は期待できないが、自民党にとって業界団体は、最後の砦(とりで)だ。今回の参院選でも比例名簿には業界をバックにした官僚出身者が名を連ねる。得票増を狙う党、影響力を確保したい省庁、自らの利益を代弁してほしい業界。なお、政官業のトライアングルは生きている。

 東海地方でも、比例区候補を擁する業界団体が相次いで集会を開く。6月15日、名古屋市公会堂で開かれた上野公成・元官房副長官(67)の支援集会。04年に群馬選挙区で落選し、比例区で復活を狙う上野氏は旧建設省出身。会場を埋めたのは住宅、不動産業界の関係者ら約2000人だった。

 ただ、業界あげての集票には限界も見える。01年から得票数によって当落が決まる非拘束名簿式になり、党員数は激減。同時に、団体の集票力が低下していることも白日の下にさらされた。

 愛知県内の農協役職員でつくる県農政連。会員は約9000人だが、自民党員は「ほとんどいなくなった」(幹部)。前回04年に支援した農水省OBは約12万票で落選。県内でも約2000票だった。

 今回、全国農政連は予備選で組織内候補を初めて擁立。愛知県でも小集会をこまめに開くが、県内の単位農協数は相次ぐ合併などで10年前の55から20に。「組織が大きくなり、指示が浸透しにくい」。野村弘委員長は悲壮感をにじませる。

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 愛知では選挙区の自公協力も影を投げかける。

 「地域によっては(公明の)山本氏を支援するよう自民党県連から要請されている」。5日の県医師連盟役員会。地区代表者を前に、県医師会長でもある妹尾淑郎委員長は、こう切り出した。

 医師連盟は長年、比例区に医師会が擁立した自民党候補を支援してきたが、今回、愛知選挙区(改選数3)では「票割り」を余儀なくされ、自民党の鈴木政二氏(59)だけでなく公明党の山本保氏(59)も推薦した。しかし、連盟内は「会員には民主党支持者もいる。票割りなんかできっこない」と冷ややかだ。

 自民党愛知県連幹部は言う。

 「小泉前首相は、郵政はじめ業界団体とのしがらみを絶った。無党派層を獲得し、郵政選挙で勝利した。逆風の今回、頼りの業界団体が機能するのか。この結果で自民党の体力もわかる」

■■自民党支援の主な業界団体■■

医師関係団体(武見敬三)

遺族会(尾辻秀久)

看護連盟(松原まなみ)

歯科医師団体(石井みどり)

薬剤師団体(藤井基之=旧厚生省)

土地改良(段本幸男=農水省)

商工会(大高衛)

建設(佐藤信秋=旧建設省)

不動産・宅建(上野公成=旧建設省)

運輸・JR(藤野公孝=旧運輸省)

農協(山田俊男)

全漁連(丸一芳訓)

防衛(佐藤正久=自衛隊)

※かっこ内は今回、比例区で支援する立候補予定者と出身官庁

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