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〈夏・選択のとき:上〉「官僚主権からの脱却狙え」 東京都副知事・猪瀬直樹さん

2007年07月18日

 参院選は29日の投開票に向け、中盤戦に入る。01年4月からの小泉政権、06年9月からの安倍政権が続いた「この6年」への評価も争点のひとつだ。この国のかたちはどう変容し、どんな課題が選挙戦で問われるべきなのか。識者3人に聞いた。

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猪瀬直樹さん

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 日本は明治以来、実は官僚主権の国家だったのです。そこに風穴を開けたのが小泉政権。社会保険庁の問題では官僚主権のほころびが目につくが、いまだに官僚と族議員の力は隠然としてある。

 01年に道路公団民営化のプランを小泉前首相に持っていって第三者委員会を作るだけで、半年以上ももめたんですよ。安倍首相だって抵抗勢力と戦っている。国家公務員法改正案は抵抗も激しかったが、国会の会期を延長して通した。小泉前首相と違い、戦う姿が見えにくいだけですよ。

 国民は今も官僚機構と戦う政治を求めている。参院選ではそこが問われている。本来は国民が納税者意識を持って国家を監視すべきだが、これまでは官僚が税金を差配してきたことに何の疑問も持たなかったわけです。

 霞が関は政令、省令、通達で網の目のような規制を設け、既得権益はがん細胞のように繁殖し続ける。小泉政権が誕生し、郵政総選挙で納税者意識は高まったが、安倍首相になって再び関心がなくなってしまった。そこが心配だ。

 格差問題にしても一般論で語られすぎだと思う。むしろ「失われた10年」より、景気や雇用はいい。問題は、もう一度挑戦できるシステムをどう構築するかだと思いますね。

 若い世代についてさらに言えば、右傾化が進んだとの指摘は当てはまらないんですよ。誤解を恐れずに言えば、逆にナショナリズムがないことを不思議に感じますね。反権力を含め、「この国はどうなるのか」という意味のナショナリズムが感じられない。国家の中にいるという現実感を欠いた若者が増えている。

 東京はニューヨークとワシントンの機能を合わせたような巨大都市だ。日本が沈没しないようにするには、東京も地方も規制に縛られていては国際競争に勝てない。地方都市が本格的な立法権を持ち、政治を変えていかなければならない。

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 〈いのせ・なおき〉 長野市出身。作家。小泉政権で道路公団民営化推進委員。現在は地方分権改革推進委員も務める。60歳。

夏・選択のとき

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