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自民、地方議席減で強まる危機感

2007年06月04日

 参院選の公示が約1カ月後に迫る中、各地の自民党立候補予定者の陣営が危機感を強めている。年金問題や現職閣僚の自殺を受け、安倍内閣の支持率はさらに落ち込んだ。それでなくても今春の統一地方選では、道府県議が4年前の1309から1212まで議席を減らし、選挙続きに疲れも見える。「足元の地方組織がこんな状況では、逆風選挙は戦えない」と悲鳴が上がる。

 ■選挙連発、疲れ蓄積 山梨

 「情勢は自民に厳しい。だから後援会入会カードは1人50票を目標にしている」

 2日夜、甲府市。参院選山梨選挙区(改選数1)に立候補を予定する自民新顔、入倉要氏の後援会集会で、後援会役員が声を張り上げた。だが会場に集まったのは約80人。当初はもっと大きな集会を計画していた。

 「亥年(いどし)」の今年は、春の統一地方選と参院選が重なる。山梨では1月に知事選もあり、候補者擁立を巡って組織が分裂した影響も残る。「動員が続くと参院選まで持たない」。後援会内でこんな声が強まり、規模縮小を余儀なくされたのだ。

 集会に出た同県南アルプス市内の会社役員は、昨年12月から週末の半分は選挙活動でつぶれているという。「会合では、不満を漏らす家族への対策も話し合うほどだ」

 「あと2カ月。燃え尽きないで」。同県大月市の棚本邦由県議は、こう言って支持者に頭を下げる。知事選と自身の県議選を終え、7月には大月市長選の投開票を控える。参院選まで支持者が動いてくれるかどうか。

 前回亥年の95年の参院選に新進党(当時)から出て落選した赤池誠章衆院議員は、「当時と比べて人を集められず、支部すら立ち上げられない地域が目立つ」と話す。

 ■大敗余波、分裂騒ぎ 埼玉

 埼玉選挙区(改選数3)に立候補を予定する古川俊治氏は、3日、埼玉県朝霞市の集会で支持を訴えた。だが表情は厳しい。「駅立ちしていても『なんだ、自民か』と絡まれる。超逆風の選挙だ」

 自民の候補は1人。統一選までは安泰ムードだった。だが、県議選で自民は、選挙前の62議席から議長を含む現職19人が落選するという「歴史的大敗」。公認候補の当選者数で見ても、前回(03年)より11減と全国で最も減らした。すると、無所属議員を取り込んで過半数に持ち込みたい主流派と、その手法に反発する反主流派とが分裂状態に陥ってしまった。

 主流派の県議が「分派したら参院選に大きな影響が出る」と反主流派を批判する一方で、反主流派は「自民候補を破った議員を会派入りさせては、有権者に説明がつかない」と反発。結局、県連会長の大野松茂衆院議員の説得もあって反主流派が折れ、県議会勢力は過半数の53になったが、しこりは残ったままだ。

 ■養成塾生まで動員 東京

 地方組織の弱体化に手をこまぬいているばかりではない。

 松岡前農水相の自殺翌日の5月29日夜。自民党東京都連で政治家養成スクール「TOKYO自民党政経塾」の開講式があった。2期生約130人に、講師役の国会議員が呼びかけた。「参院選の現場に出て、手伝ってきてはどうですか」

 都連が昨年始めた政経塾は、政治に関心のある市民らに国会議員や有識者が講義をする。今春の統一選では塾卒業の1期生54人が当選した。

 「最低10人を動員してほしい」。新宿区の吉住栄郎区議は、6月下旬に区内で開かれる現職の保坂三蔵氏の総決起大会に向けた依頼を受けた。「政府を預かる自民としては、このまま選挙戦に突入すると厳しい」。そんな思いから、集会への人集めに力を入れる。

 東京選挙区(改選数5)では9年ぶりに保坂氏ら公認2人を擁立するだけに、焦りが募る。ある都連幹部は「支持率低下や年金問題のなか総動員でやっていくしかない。若い力にも無党派層の開拓につなげてほしい」と、経験の浅い塾出身者にもすがる思いを明かした。

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