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痛み、受け止めて 年金・住民税・医療費

2007年07月02日

 参院選の投開票まであと1カ月を切った。「消えた年金記録」問題で引き起こされた政治不信に加え、定率減税の廃止などでますます重くなる負担感。将来の暮らしへの不安が募る中、有権者たちは、どんな思いを一票に込めるのだろう。

 330万件。

 社会保険庁の年金記録の相談電話にこの1カ月足らずで寄せられた問い合わせの数だ。ピークは過ぎたが、まだ1日に約4万件が殺到する。

 東京都西東京市の男性(72)も、社会保険事務所に年金記録の再確認を求めたばかりだ。7年前の支給開始手続きの際、20代の納付記録4年分がないと告げられた。

 30日成立した新法で時効は撤廃され、記録が見つかれば追加支給になるかもしれない。それでも納得できないのは、この間の政府、政治家の説明や対応が、その場しのぎと感じてきたからだ。「特に安倍政権の言葉はあまりに軽すぎる」

 横浜市の主婦(56)は巨額の年金保険料が無駄になったグリーンピア問題以来、年金制度の現状はおかしいと考えてきた。子や孫世代の福祉充実のためには消費税の引き上げも仕方ないと考える。だが参院選を前に、消費税は争点から外されているように見える。

 過去の消えた記録だけでなく、将来についても「ごまかさず、きちんと説明してほしい」。

■住民税「10倍」

 大阪府東大阪市の北岡民夫さん(75)は先月、市からの納税通知書に驚いた。住民税額が6万1600円。昨年支払額の約10倍だったからだ。

 高額医療費の控除対象から外れたこともあり、ある程度は覚悟していた。「それでも3万円ぐらいだと思っていた。記載間違いじゃないか」。だが市役所では「分割払いにしてもらっては」と返されるだけ。怒りを参院選でどうぶつけるか。

 自動車販売会社に勤める東京都江戸川区の男性(38)も、6月の給与明細にため息をついた。業績は頭打ちで給料は増えない。そこに月1万円の「増税」だ。毎夏恒例の家族旅行も、今年は難しいかもしれない。

 「住民税アップ」は、99年に導入された所得税と住民税の定率減税の全廃に伴うもの。だが、「『増税だととらえないでほしい』なんて平気で言う政治家は、私たちの痛みを分かっていない」と、やはり住民税が数倍になった横浜市の男性(68)はいう。

■負担増に不信

 ここ数年、年金保険料や医療費などが引き上げられ、「負担感」は増すばかりだ。

 東京都大田区の児玉成吉さん(76)は、持病の高血圧で通院している。医療費の窓口負担額は、夫婦で月1万5000円もかかっている。「年金暮らしの高齢者いじめとも言える」と不信を抱く。

 派遣労働者やネットカフェ難民、生活保護受給世帯などの支援団体でつくる「反貧困ネットワーク準備会」は1日、都内で集会を開いた。「保育費を滞納したため、子どもが幼稚園の卒園証書をもらえなかった」「毎日働いても月収15万円がやっと」などと当事者が発言。その後、首相官邸近くや霞が関をデモ行進し、「最低賃金は1000円以上に」などと訴えた。

   ◇

【04年参院選以降の家計への主な負担増】

●厚生年金保険料の引き上げ

 04年10月から労使折半で毎年0.354%ずつ14年間あがり続ける

●国民年金保険料の引き上げ

 05年4月から毎年、月280円ずつ上がる

●年金への課税強化

 65歳以上は収入に応じて控除され、年収1000万円以下はさらに48万円控除されていたが、05年1月から廃止

●70歳以上医療費の窓口負担増

 一定以上の所得がある場合、06年10月から2割から3割に。一定額以下の場合は08年4月から74歳まで5年間の負担が1割から2割に

●生活保護受給の一人親家庭への母子加算を廃止

 15歳以下の子ども1人の場合で最大月2万3260円加算されていたが、07年4月から毎年3分の1ずつ減らされて09年度に全廃

●障害者の自己負担増

 06年4月に障害者自立支援法が施行され、福祉サービスなどについて一律で原則1割負担に

●介護保険料の値上げ

 06年4月に65歳以上の保険料が見直され、保険を運営する市町村と広域連合のうち、約9割の地域で引き上げに

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