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〈今こそ問う:2〉「働く貧困層、どう保障」作家・雨宮処凛さん

2007年07月19日

 政治はこの10年、若者を見捨てる方向で来た。

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 就職氷河期、正社員になれない若者たちを、規制緩和という名目で外国人労働者と同じ「使い捨て労働力」にした。派遣で工場を転々とさせる。フリーターだからと低賃金で深夜労働させる。

 いまや非正規雇用者は労働人口の3分の1。一方、フリーターを積極的に正社員にしたい企業は、昨年の経団連の調査では1.6%しかない。一度正規ルートからはずれた人間に将来はない。

 最近「戦争でも起きてほしい」と言ってくる30、40代が出てきた。体力は衰えても収入が安定する見込みはない。いっそ戦争で社会が大混乱すればやり直せるかもしれない。名誉や恩給が受けられれば親孝行にもなるという。

 少子化といわれても、フリーターの男は結婚できないし、派遣の女たちは出産すれば失職する。フリーター同士で子供を産んだら貧困から虐待にもなりかねない。10年後は、40、50代の自殺者が急増するに違いない。

 参院選が年金問題で盛り上がるほど彼らはしらける。大多数が国民年金は払っていないから。教育改革をするなら、違法な働かせ方や危ない派遣業者の見分け方を学校で教えてほしい。だがそんな教育論も聞こえない。

 政治が悪いと理論的に言う若者は増えた。だが、体は都会のタコ部屋やネットカフェにあるのに、住民票は地元にある。帰省する金はない。怒りを投票行動に結びつけることさえできない。

 参院選の当選者にはぜひ、地元の都道府県の最低賃金で1カ月生活してみてほしい。ワーキングプアへの社会保障が日本の未来につながる。

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