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〈今こそ問う:4〉「鼻につく勝ち組の教育論」作家・室井佑月さん

2007年07月21日

 安倍首相の肝いりで始まった教育再生会議にはがっかりした。特に、途中でひっこめた「親学」など、上から見下すような物言いが鼻につく。

 元五輪選手、企業のトップ、劇作家など、会議のメンバーは特殊な生き方をした人が多く、一般的な子育てを論じられる人たちではない。この中の何人が子どもを公立の学校に通わせ、公教育の現状を知っているのか。一部の勝ち組から「親と学校はこうあるべきだ」と言われて、有権者の皆さんは平気ですか?

 「親子の絆(きずな)、父親の子育て参加、早寝早起き朝ご飯」など、会議の提言内容は基本的に間違ってはいない。でも、「そんなことは国から言われなくても分かっている」ということばかり。親なら子どもを第一に考えるし、少しでも一緒にいたいと思う。しかし、多くの人が夜まで働かなければ生活していけないのが、現状なのだ。

 私にも7歳の息子がいるが、子育ては仕事をしながら時間をやりくりしてやってきた。同級生の母親たちも、子どもが待つ家に走って帰っていく。そんな状態のなかで再生会議の議論を聞いたら、働く女性はもう子どもなんて産みたくないと思うだろう。

 国が何とかすべきなのは親ではなく、社会の方だ。親が子どもと過ごす時間を増やせるように、パートの最低賃金を高くしたり、託児所や小児病院を増やしたり、子どもがいる生活保護受給者のサポートをするなど、やるべきことは山のようにある。そのためにどれだけの予算を充てるのか。子育ての環境をどうしたら改善できるのか。

 候補者にはそれを語ってほしい。

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