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年金主役でかすむ改憲論議 参院選

2007年07月23日

 参院選は22日、選挙戦最後の日曜日を迎えた。安倍首相は選挙前、憲法改正を争点にすると力説したが、年金問題での逆風の中、憲法論議を主導した自民党候補者でさえ「改憲」を強調することはない。一方、護憲を訴える側には、党派を超えた連携の動きもある。

 「国民投票法が成立した。新しい憲法を書こうじゃありませんか」

 22日、安倍首相は東京都内での街頭演説でこう訴えた。しかし、自民党が05年に発表した新憲法草案には触れずじまい。選挙前はこの草案を参院選で広める考えを示していた。演説の大半は、年金対策や公務員制度改革の問題で、一緒に立った2人の選挙区候補は憲法自体に触れなかった。

 今回の参院選では、同党で憲法改正論議をリードしてきた2人が立候補している。党憲法審議会会長代理を務める比例区の舛添要一氏と、参院憲法調査特別委員長として国民投票法案を可決させた、愛媛選挙区の関谷勝嗣氏だ。

 舛添氏は演説では「自らの国を自らで守っていけるよう(戦力不保持を定める)9条2項を変えよう」と訴えるが、時間を割いて訴えるのは年金問題や子育て対策。関谷氏は街頭では改憲にほとんど触れない。改憲論議は「全く争点にならない」(舛添氏)、「国民の関心事じゃない」(関谷氏)と、ともにもどかしさを募らせる。

 参院選後の国会では、衆参両院に憲法審査会が設置され、本格的な改憲論議が始まる。同審議会事務局次長の葉梨康弘衆院議員は「憲法審査会の構成を決める重要な選挙だということを、訴えなければならない」と主張してきた。

 そんな問題意識から、党は「新憲法草案のポイント」と題した33ページの冊子を各候補に配った。しかし、奏功したとは言い難い状況だ。

 葉梨氏は15日、地元茨城選挙区の党公認候補の応援演説に立った。

 「憲法の問題をじっくり議論していく」。約5分の演説で、憲法に触れたのはこれだけ。「みんな年金問題で『はしか』にかかったみたいで、それしか頭にない。だから(憲法問題に)触れられない」。肝心の候補も「憲法は、今はしゃべる状況じゃない」と打ち明けた。

■護憲訴え、超党派で連帯

 護憲を訴えて連帯しようという動きもある。

 「安倍政権の中で9条が危ない。なんとしても死守しなければならない」。社民党の比例区候補、上原公子氏は街頭演説は、いつも憲法問題で締めている。

 元東京都国立市長の上原氏は立候補を打診された時、「9条を守るにはウイングを広げるべきだ」として、党に限定しない幅広い活動を求めたという。今月3日には東京選挙区の無所属、川田龍平氏とともに街頭演説。護憲をともに訴え「息子のような龍平君をよろしく」と呼びかけた。

 安倍政権の掲げる憲法改正への反対を掲げるミニ政党「9条ネット」は自前の候補者だけでなく、川田氏の支持や愛媛選挙区の無所属、元プロサッカー選手の友近聡朗氏の推薦も決めた。同党事務局は「既存の枠を超えて様々な政党や候補が手を取り合って活動することこそが重要」としている。

 22日、共産党の東京選挙区候補、田村智子氏は東京・銀座の街頭で「憲法を守り抜く議席を何としても勝ち取らせて下さい」と訴えた。同党の候補も各地で護憲を訴えている。

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