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ネット選挙、解禁へ機運 政見放送流出…政党も議論本腰

2007年04月24日08時57分

 今回の統一地方選などを機に、インターネットを使った選挙運動の解禁への機運が高まっている。東京都知事選で候補者の政見放送がネットに流出するなど、公職選挙法で想定していなかった事態が頻発。慎重な姿勢を見せていた自民党も、法改正に向けて議論を再開した。カギを握るのは誹謗(ひぼう)中傷対策だ。

■誹謗中傷、対策がカギ

 「諸君、この国は最悪だ」「私が当選したら、やつらはびびる。私もびびる」。東京都知事選の告示後、立候補していた外山恒一氏の政見放送の映像が動画サイト「ユーチューブ」に投稿された。ネット上で話題を呼び、アクセス数は短期間で100万を超えた。

 現行の公職選挙法ではテレビの政見放送は一人5回と定められている。また、公示・告示後に配布できる「文書図画」はビラやはがきに限定されており、ネットを選挙運動に使うことは一切禁じられている。

 都選挙管理委員会は、特定候補の映像だけ「見放題」なのは公平ではないとして、ユーチューブに削除を要請。公選法に基づく警告は「陣営による選挙運動とは言い切れない」として見送った。

 2月の愛知県知事選では、告示後に会員制のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)である候補の集会への参加を呼びかける書き込みがあり、「公選法違反では」と物議を醸した。

 ネットは匿名による情報があっという間に広がる世界。いずれのケースもだれがどんな目的で投稿したのかを特定しづらく、違法かどうかの判断が難しいケースだった。ネット選挙事情に詳しい携帯電話広告会社シーエー・モバイルの外川穣社長は「これだけネットが浸透しているのに、現実に法律が追いついていない」と指摘する。

   ■   ■

 一方で、政治家がホームページ(HP)などで政策を伝えるのは当たり前になりつつある。選挙でもネットを活用するべきだとして、民主党は98年から4回にわたって、ネット選挙解禁を盛り込んだ公選法改正案を国会に提出してきた。

 消極的だった自民党も今年3月28日、ネットを使った選挙運動に関するワーキングチーム(WT)の勉強会を10カ月ぶりに再開。背中を押した要因の一つは、統一地方選からの首長選でのマニフェスト配布解禁だった。

 WTの座長を務める小林温参院議員は言う。「ローカルマニフェストが解禁されたのに、例えば神奈川県知事選では、有権者716万人に配れるビラは30万枚だけ。4%にしか届かない。選挙にかかるカネを減らすためなら、HP利用を解禁した方が効率的だ」

 自民党の「推進派」は、昨年5月にまとめた最終報告案をベースに選挙制度調査会で議論し、7月の参院選に間に合うように法制化したい、と意気込む。

   ■   ■

 だが党内には慎重派も根強くいる。理由として挙げるのは、ネット特有の誹謗中傷や「なりすまし」だ。短い選挙期間中、ネットで特定候補の批判に火がつくと、決定的な打撃になりかねない、というのだ。

 22日に投開票された埼玉県行田市長選で、現職の横田昭夫市長(当時)が告示直前に立候補を取りやめる騒ぎがあった。「誹謗中傷に疲れ果てた」からだという。

 「主戦場」は、ネット上の匿名掲示板の2ちゃんねる。1年以上前から「横田、逮捕だ」「ポーカーフェースの悪代官」などと書かれ、支援者や家族にまで中傷が及んだ。さらに、ネットを印字した紙を全自治会長に郵送されたという。

 横田前市長は「政治家に中傷はつきものかもしれないが、ネット選挙を解禁すれば、ますます悪用する人が出てくるのではないか」と語る。

 こうした懸念を受けて自民、民主の両案とも、なりすましによる虚偽のHP開設や記載を防ぐため、責任者のメールアドレス記載を義務づけるなどしている。

 民主党のインターネット選挙活動調査会事務局長の田嶋要衆院議員は言う。「ネット上の誹謗中傷は信憑性(しんぴょうせい)が高くないと皆わかってきている。規制し過ぎない方が、中長期的には民主主義にとってプラスになるはずだ」


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