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〈頑張っていきまっしょい 総選挙を前に〉中村時広・松山市長に聞く

2009年8月7日

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 総選挙がいよいよ間近に迫ってきた。疲弊した地方に景気の低迷が追い打ちをかける中、「ふるさと愛媛」を私たちはどうしたら元気にできるのか。政権選択の時を前に、県内の第一線で活躍する人たちに、地域を良くするためのアイデアを聞いた。まずは総選挙に向け、橋下徹・大阪府知事らと首長連合を結成し、地方分権の実現を訴えている松山市の中村時広市長(49)から。

 ――中村市長が考える地方分権とは何ですか

 国の権限と財源を、単に地方に移すことではない。国は国のやるべき仕事に専念し、地方のことは地方に任せてもらうことが大切だ。

 例えば、国の補助金で建てた農業施設があったとする。その施設が本来の役割を終えたため、自治体の判断で教育施設として使おうとすると、国は「農業用として建てた施設の目的外使用にあたる」として補助金の返還を求めてくる。地方の実情などお構いなしに、国が決めたルールに基づいて物事が進められてしまうのが現状だ。

 ――その「悪弊」を変えるにはどうすべきか

 地方のあらゆることに、国が関与してきた従来の意思決定システムを変えることだ。今は国が決めているルールを、地方がそれぞれの地域の実情に見合ったルールにつくり替え、物事を進めていけるようにするべきだ。

 国と地方の役割分担も改める。国は外交や安全保障、社会保障システムなどを担い、地方は地方の判断に即した産業政策や福祉政策などを進めていく。

 ――総選挙に向け、地方分権への注目が高まっている

 有権者の関心が高まっていることを歓迎したい。各政党のマニフェスト(政権公約)の地方分権政策について、知事会が採点して公表する方針を決めた。各党も地方分権を意識せざるを得なくなった。各党が分権の実現を競い合うようになれば、どの党が政権を取っても地方分権は進むことになる。

 ――現在の国の政策をどう見ていますか

 ここ数年、選挙ばかりを意識して現場の状況を考慮しない「ばらまき型」の政策が目立つように思う。

 高速道路料金の値下げは、結果的に呉・松山フェリーを廃止に追い込んだ。しかし、値下げ政策は2年間の時限措置だ。このままだと2年後には高速料金が元に戻る一方で、航路はなくなったままになる。航路廃止による市民生活や経済活動への影響を考えることなく、よい面だけを強調した政策が進められた結果だ。

 政策にはよい面と悪い面、つまりリスクが必ず伴う。にもかかわらず、各党はリスクの説明をしてこなかった。これからは、よい面も悪い面もきちんと説明した上で、政策として打ち出すべきだ。

 ――総選挙に何を期待しますか

 政権交代が争点になっているが、政権交代が最終目的ではない。政権交代は政治に緊張感を与えることはできるが、仮に政権交代が起きても、世の中がすべて良くなるわけでもない。

 政権交代は、日本の政治がレベルアップしていく過程の一つだろうし、あくまで国民が決めることだ。

 私が注文したいのは、どの党が政権を取ったとしても、地方にとって重要な施策である地方分権を実現してほしい。その一点に尽きる。(林哲史)

    *

 なかむら・ときひろ 松山市出身で、慶応大学法学部卒業。三菱商事勤務を経て87年4月に県議選に初当選。93年7月〜96年9月には衆院議員として国政に携わった。99年の松山市長選で初当選し、現在3期目。

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