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〈夏の陣 09総選挙〉医師・建設・農協の団体、「一枚岩」揺らぐ情勢

2009年8月11日

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 選挙で「集票マシン」として動く一方、政策要求の実現などの「実利」を得てきた医師、建設、農協の業界団体。各業界とも基本的には「自民支持」を掲げてきたが、次の総選挙では一枚岩とはいかなさそうな情勢だ。(田中聡子、加勢健一、貫洞欣寛)

 「『いつまで自民党なんだ』という声があるのは重々承知している。だが、いまは自民党が予算権を持っている政権与党だ」

 7月25日、盛岡市内で開かれた医師の政治団体「県医師連盟」の緊急執行委員会。県医師会長も務める石川育成・委員長は、こう訴えた。

 各地の医師連盟は伝統的に自民党の有力な支持基盤だった。だが、小泉政権が進めた医療費抑制などがもとで自民党と医療業界の関係は悪化。茨城県医師連盟のように、今回の総選挙で、民主党の候補者を推薦することを決めたところもある。

 それでも岩手県医連は県内全選挙区で自民党候補者を推薦することを決めている。石川氏は「仮に政権が代わっても、その政権がどれだけのものか見てから考えても遅くはない」という。

●内部に不満

 今月8日には唐沢祥人・日医連委員長が来県。自民党の立候補予定者に推薦状を手渡して「団結」を強調した。しかし内部には不満がくすぶる。盛岡市内の開業医は「どの病院も診療報酬の削減でダメージを受けた。自民党を本気で応援しようなんて思うわけがない」。ある医師会の幹部は「機関決定をしても、個々の医師がどこに投票するかは分からない」と漏らす。

 05年の前回総選挙では全選挙区で自民党候補を推薦した建設業界の政治団体「県建設産業政治連盟」は今回、まだ推薦を決めていない。建政連の宇部貞宏会長は「岩手が『民主王国』であることが道路整備の遅れを生んだ。政権与党への支持が必要だ」と話す。ただ、業界全体の現状については「地域によって民主党になびく人もおり、自民支持を無理強いすることはできない」という。

 政府は07、08年度予算で、公共事業費を前年度比3%強減らした。建設業者は08年までの5年間に県内で200社が倒産した。県建設業協会の宮城政章会長は「(自民党を支持してきた)メリットはなかった」と話す。

 一方で、業界は民主党のマニフェストに盛り込まれた公共事業の削減に神経をとがらせている。宮城氏は「建設業は岩手の基幹産業。民主党が政権を取ってマニフェストを実行したら、どんな影響が出るかを考えなければ」という。

 また、ある協会幹部は「今は各社とも経営そのものが大変。支持を打ち出しても、実際にどれくらい動けるかが見えない」と明かす。

●自主投票も

 農協の政治団体「県農協政治連盟」は前回選挙に続き、1、2区では自民党の候補者を支援し、3、4区は「自主投票」とする方針だ。管轄が3、4区にまたがる花巻農協の高橋専太郎組合長は「組合員に小沢一郎さんの支持者も自民党支持者も社民党支持者もいる。一本化できる状況ではない」と語る。

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