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〈選択の現場 09衆院選:上〉雇用 面接すら受けられず 年齢の壁

2009年8月14日

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 鹿児島市で12日、就職合同面接会が開かれた。同市の男性(30)は黒のスーツ姿で企業の各ブースを回った。6社の面接を受けたが、希望する職種とは違う仕事だった。

 男性は「もう少し多くの会社に来てほしかったですね」とぽつり。昨年90社ほどあった参加企業は今年は72社。県雇用労政課の担当者は「景気悪化で企業が雇用を絞り込んでいる」と話した。

 男性は県内の自動車関連部品会社で派遣社員として働いていた。昨年秋に世界規模の不況に突入すると先行きに不安を感じ、安定した正社員の職を探そうと、昨年11月に退職した。

 それから8カ月。ハローワークで技術系の仕事を探したが、就職先は決まらない。「考えが甘かったのかもしれない」

 月15万円の失業保険は来年1月まで。「不安です。空元気でも頑張るしかない」。希望する職種ではないが、面接会の結果に期待している。

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 鹿児島労働局によると、6月の県内の有効求人倍率は0.34倍で、平成に入って最低。出水市のパイオニア工場での大量離職などで新規求職者が増えた3月以降はずっと0.40倍を下回る。倒産や解雇などで離職をよぎなくされた「事業主都合離職者」は、前年6月比で49%増加。13カ月連続で増えている。

 鹿児島市は直接的な雇用創出策として、今年度計4億1300万円を予算化。屋外広告物の実態調査や管理事業などで約360人分の雇用枠を用意した。だが、いずれも期限つき。次の職が見つかるまでの、つなぎでしかない。

 不況を反映するように、生活保護の受給世帯も増えている。市によると、新たに生活保護を受け始めた世帯は昨年10月〜今年2月、月約100世帯にのぼった。07年度は月80世帯程度だった。それが、3月には161世帯に急増。6月も140世帯と高止まりを続ける。

 「昨年秋からの不況で職を失った人が生活保護を申請する例が、じわじわと増え始めている」と担当者。その額も前回衆院選前の04年度で173億円だったものが、08年度には197億円と、歳出の約1割を占めるまでにふくらんだ。09年度予算ではさらに増えると見込み、200億円を盛っている。

 「働ける層」の増加率が最も大きいことが厳しい雇用情勢を示している。08年度に生活保護を受け取らなくなった世帯で、「就労による収入増」を理由に挙げたのはわずか15%しかなく、自立の難しさを表している。

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 昨年12月まで鹿児島市で路上生活をしていた男性(47)は、生活保護を受けながら就職を目指す。この半年間で計約50社以上に電話をかけたが年齢が問題になり、面接にさえたどりつけない。

 先月下旬から知人のつてを頼り、週2日、空調施設を管理する会社で働き始めた。月収は約4万円。その分、生活保護の支給額は減るが、それでも自立を模索する。

 衆院選では雇用対策や景気浮揚策も重要な争点になる。男性は選挙にあまり関心を持つ方ではなかった。今回は違う。「自立できる仕事がほしい。少しでも政策を読んで、納得できる政党や政治家に自分の1票を入れたい」(白井伸洋)

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 18日に公示される衆院選で候補者はどんな政策を語るのか。有権者が注目する県内の課題の「現場」を探った。

 <おことわり> 幸福実現党は13日、「今後、衆院選の候補者や擁立する選挙区の見直しを検討する」と発表しました。見直しの具体的な内容が党本部から明らかにされていないため、その内容が確定するまでの間、同党の立候補予定者の紙面への掲載を見合わせます。

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