現在位置:
  1. 2009総選挙
  2. 地方ニュース
  3. 大阪
  4. 記事

〈09総選挙〉開票速度、競う自治体 大阪市・環境工夫 柏原市・熟練者配置

2009年8月23日

印刷印刷用画面を開く

 毎回深夜まで及ぶ票を数える開票作業。各選挙区の当選者はいつごろ分かるのか、気になる有権者も多いだろう。公職選挙法改正で投票時間が午後8時まで延長されてから10年がすぎ、ここ数年は特に速報性やコスト削減のため、開票作業の効率化に取り組む自治体が増えている。一方、なかなか縮まらない時間に頭を悩ませるところも。府内自治体の開票事情を探った。

 (染田屋竜太)

 府選管の資料によると、前回の05年の衆院選で開票作業が府内で最速だったのは、大阪市中央区の1時間59分。同市は全24区のうち19区が3時間以内に終えた。何か工夫があるのだろうか。市選挙管理委員会に聞いた。

 「全国に先んじて効率化を進めてきました」と谷川泉・選挙担当係長(48)。市には「選挙事務研究会」があり、どうすれば早く票を数えられるか意見交換し合ってきた。

 例えば、開披台に使っていた75センチの高さの机は腰をかがめないと作業ができなかった。やりやすくしようと、パイナップル缶にコンクリートを流し込んだものを机の脚の下に置き、90センチの高さにした。机を作業しやすい高さにする方法は、今や全国に広まっている。他にも、職員が「こんな名前の候補者いたっけ?」と考えずにすむように票を仕分ける開披台にセロハンテープで候補者名が書かれた紙をはり付け、そこに票を分けていく方法なども採り入れてきた。

 「ただ工夫は限界がある。24区の競争性が一人ひとりの職員の集中力を高め、早めたとも言える」と谷川係長。

 07年の参院選を対象に、早稲田大「マニフェスト研究所」と朝日新聞が共同で1人の職員が1分間に何票処理できるかをはかる「効率性」の順位をつけたところ、府内の市区町村の上位20位に大阪市内の13区がランクインしている。早いのは「開票作業をする職員数が多い」「選挙区の有権者数が少ない」という理由だけではないようだ。

 07年参院選で開票時間が府内最短だった柏原市。マニフェスト研と朝日新聞の共同調査では、同市の1時間55分の記録は全国の市区で4番目。市選管の担当者によると、人事異動で部署が移っても、作業の担当には長年同じ職員を配置する。「熟練すると仕事も速く正確」。しかし、今回は市議選とのダブル選。「05年の衆院選の時も同日でした。熟練の職員がいるから平気だと思う」と自信を見せる。確かに05年も2時間35分(府選管調べから)だった。

 一方、05年衆院選でもっとも遅い5時間20分だった阪南市。担当者は「できるだけ早く、と職員も頑張っているのですが……」。開票作業を早くしても、候補者や政党が選んで、開票所で作業をみる立会人のところで時間がかかる場合もある。それまでに計数機も含めると最低4回はチェックしているが、一から票をめくりはじめる立会人がいると、すぐに確定しない。

 早く終わらせることで職員の超過勤務を減らせるほか、作業に合わせて段階的に職員を帰らせ、タクシー代や宿泊代も削ることもできる。マニフェスト研の試算では、全国の自治体が1時間ずつ開票作業を早めると、約11億円の経費が削減できるという。林紀行・次席研究員(35)は「多くの自治体が効率化に取り組んだ07年参院選から2年たち、今回はその意識が保持されているかどうかで差が生まれるのでは」とみている。

■前回の05年衆院選での開票時間の府内市区町村のランキング

<ベスト>

順位 市区町村名       開票時間

 1 大阪市中央区      1時間59分

 2 太子町         2時間 5分

 3 大阪市大正区      2時間 7分

 4 東大阪市        2時間 9分

 5 大阪市北区、大阪狭山市 2時間10分

<ワースト>

順位 市区町村名  開票時間

 1 阪南市   5時間20分

 2 摂津市   4時間50分

 3 貝塚市   4時間48分

 4 堺市・第3 4時間40分

 5 島本町   4時間35分

 (※開票開始から小選挙区と比例区の開票が両方とも終了するまでの時間。府選挙管理委員会の調べから。堺市には第1〜5の五つの開票所がある。)

■07年参院選での開票時間の府内市区町村のベスト5

順位 市区町村名    開票時間

 1 柏原市     1時間55分

 2 大阪市中央区  2時間19分

 3 松原市     2時間35分

 4 大阪市天王寺区 2時間41分

 5 堺市美原区   2時間45分

 (※早稲田大マニフェスト研究所と朝日新聞社の共同調査から)

検索フォーム