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〈決 09衆院選〉激戦区ルポ・鹿児島4区 「日の丸党旗」突く自民

2009年8月23日

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<4区>

小里泰弘 50 自前(1)

樋口信博 48 諸新

皆吉稲生 59 民新

 「皆さまに多大なご迷惑をお掛けしました」

 公示日の18日、霧島市国分山下町であった出陣式。民主新顔の皆吉稲生氏は第一声の冒頭でおわびの言葉を述べた。日の丸で作った民主党旗を陣営が集会で掲げた問題のことだ。

 17日にあった党首討論で麻生首相が「日の丸を切り刻んでつなぎ合わせた」と批判し、表面化。急きょ4区の争点の一つに浮上した。

 「日の丸民主党旗」は8日、小沢代表代行を霧島市に招いて開いた集会でステージの上につるされた。皆吉氏の事務所によると、熱心な支持者が2枚の日の丸の上下4分の1程度を切ってつなぎ合わせて持ち込み、確認しないまま掲げてしまったという。

 いよいよ選挙戦という時期の出来事に、陣営は動揺を隠せない。「おわび」から始める異例の第一声は選対で話し合って決めた。「きっぱりおわびして、気を引き締め直して頑張った方がいい」(陣営幹部)との判断だった。

 選挙戦では手応えを感じている。19日夕、霧島市霧島大窪にある霧島駅前公民館での個人演説会を前に、皆吉氏は近くの商店街を回った。

 この地域は自民前職、小里泰弘氏の地元。駅前公民館は小里氏の自宅から約300メートルという「おひざ元」だ。商店街の店を訪ねた皆吉氏に店主は小声で「応援してますよ」と手を握ったという。公民館での演説で皆吉氏は、集まった30人を前に感激の表情でその模様を披露した。

 党旗問題について、支援者からは「選挙の本質ではない。乗り越えて頑張れ」との激励が届く。ただ、どれだけの影響があるのか陣営も図りかねているのが実情だ。

 だが、対する自民は相手の「敵失」を見逃さない。

 20日、霧島市役所前広場で麻生首相を迎えてあった小里氏の街頭演説会。日の丸民主党旗問題を意識したように、演説に使う自民の遊説車には大きな国旗が掲げられた。広場を埋め尽くした聴衆の手には日の丸の小旗が揺れた。

 遊説車の上で演説した麻生首相は「(民主党が)日の丸をひっちゃぶいた。ふざけた話でしょうが。日の丸ですらきっちりできない」と民主を批判。県選出の野村哲郎参院議員も「許せないのは、この国旗を切り刻んで、自分たちの党の旗にしたんです」と責め立てた。

 新聞各社の情勢調査で「全国的に民主に勢いがある」という状況に、小里氏は「かつて経験したことがない強烈な逆風」と危機感を口にする。そんな中で起きた民主党旗問題をプラス材料と陣営は位置づける。ましてや、党首討論で問題に火を付けた麻生首相自身が「震源地」に来たことで、「ラストスパートに向け、随分と力を頂いた」と陣営は勢いづく。

 しかし、有権者の中には「年金、医療、介護、景気対策など課題は山ほどある。党旗問題ばかり繰り返すのは逆効果」との声もある。陣営幹部も「敵失ですから。余りあげつらっても」と、深追いには慎重な声も出ている。(堺謙一郎)

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