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〈夏の陣 09総選挙〉最前線ルポ・岩手2区 自民「厳しい」 民主、全県制覇へ総力

2009年8月24日

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◇岩手2区

 工藤哲子 46 諸新 幸福実現党員

 畑浩治  45 民新 〈元〉国土交通省職員

 鈴木俊一 56 自前 〈元〉環境相

 (敬称略、届け出順)

 「政権がどうなろうとも、鈴木先生をもう一回、国政に送っていただきたい」

 21日、八幡平市中心部の広場。自民前職、鈴木俊一氏の応援演説に立った同市の田村正彦市長が声を張り上げると、同じく応援に駆け付けた野田聖子・消費者行政担当相と鈴木氏が、わずかに表情をこわばらせた。

 自民党と「世襲」に強い逆風が吹き付ける状況に、鈴木氏は「かつてなく厳しい選挙になってしまった」と語る。街頭演説では「市場主義による競争で合理化が進んだ部分もあるが、競争に遅れたところが大変傷ついた。地方がまさにその一つだ」と、党に向けられる批判に対する「反省の弁」を欠かさない。

 自民党県連の嵯峨壱朗政調会長は「正すべきところは正すという姿勢を訴えつつ、長年の実績を強調していく」と語る。

 陣営は、県内で自民唯一の前職を「絶対に落としてはならない」と危機感を募らせる。

 これまでの支持層を改めて固め、逃げ切るのが基本戦略だ。鈴木氏は衆院解散後、家族総出で「初当選時以来」という数のミニ集会やあいさつ回りを続け、公示後も街頭演説や集会を重ねている。

 鈴木氏の顔は夏の日差しに焼け、引き締まってきた。22日には自らの地盤、山田町の街頭で「鈴木俊一を助けていただくようお願いします」と有権者に懇願した。それまでの「お力添えをいただきたい」との控えめな口ぶりは、もう見られなかった。

 父の故・善幸元首相の地盤を引き継いで6選19年。「これは鈴木家の存亡をかけた戦いだ」と陣営関係者は言う。

    □   □

 民主新顔の畑浩治氏は公示日の朝、滝沢村の選挙事務所で、支持者らを前に「2区での勝利が、政権交代の帰趨(きすう)を決する」と力を込めた。

 鈴木氏との一騎打ちだった前回総選挙では、約2万2千票差をつけられて涙をのんだ。投開票日の翌日からほぼ毎日、あいさつ回りや街頭演説を続け、全市町村に後援組織を作った。「12万人と握手した」と語る。

 民主党県連は今回の選挙を「史上最大の作戦」(畑氏)と位置づけ、2区に総力を投入して「全県制覇」を狙う。

 公示後、県選出の参院議員4人全員が選挙区内に張り付き、各地の個人演説会で応援に立っている。さらに19日には達増拓也知事が鈴木氏の自宅がある山田町に入って演説するなど、旧来からの自民支持層の切り崩しを図る。

 公示日当日には、元宮古市長と元雫石町長の2人を比例東北ブロック単独候補に擁立することを発表。小選挙区との相乗効果を狙う。同党県連の工藤堅太郎代表は「小選挙区と比例区の票を連動させ、しっかり取っていきたい」と語る。

 報道各社の情勢調査で「民主優勢」が報じられるなか、陣営幹部は語る。「選挙区での当選はもちろん、相手(鈴木氏)の比例復活すらなくすのが目標だ」

 幸福新顔の工藤哲子氏は、各地で街頭演説を重ねるなどして支持拡大を訴えている。(加勢健一)

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