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〈決 09衆院選〉激戦区ルポ・鹿児島3区 再戦2氏、風向き逆転

2009年8月26日

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<3区>

宮路和明 68 自前(6)

寺迫好美 57 諸新

松下忠洋 70 国元(4)

 「4年前の小泉改革の本丸、郵政民営化で生活が豊かになったか。弱者や地方の切り捨て以外の何物でもない」

 23日夜、薩摩川内市の国際交流センター。国民新党元職の松下忠洋氏の応援に駆けつけた自見庄三郎・党副代表が演壇で語気を強めた。「そんな郵政民営化に松下候補は反対して信念を貫き通した」

 個人演説会場には郵便局長やOBらの姿が目立つ。郵政民営化に反対した松下氏を「今度こそ」という熱気が会場に充満する。

 松下氏は語る。「前回は地方と離島、田舎の郵便局を守ろうと出馬した。この4年間でさらにひどくなった。だから、もう一度挑戦した」

 前回は小泉純一郎元首相が打ち出した郵政民営化の是非が争点になり、「刺客騒動」も手伝って自民が全国的に大勝した。郵政民営化に反対した松下氏は自民を追われ、無所属で戦って敗れた。だが、風向きは4年前とは違う。「政権交代」を掲げた民主に追い風が吹いている。

 3区は県内選挙区で唯一民主候補がいない。松下氏は民主からの推薦を得て、前回出た民主候補の応援も取り付けた。民主支持層の獲得にも自信を見せ、「手応えは十分」と松下氏は話す。

 一方、自民前職の宮路和明氏は防戦を強いられる。前回は松下氏に約2万3千票差で当選。地域に強固な支持基盤を誇るが、肝心の自民の支持率が低迷するためだ。前回圧勝の立役者の小泉元首相ですら各地の講演で「たまには野党も悪くない」と自民敗戦を覚悟したような発言を繰り返す。宮路氏は「わが党に対する逆風で、かつてない厳しい戦い」と口にする。

 頼りにするのが公明だ。「自民は厳しい親父(おやじ)、公明は優しいおふくろさん」。宮路氏は独特の表現で公明との親密さを強調する。

 18日の出陣式では、公明の太田代表からのメッセージが読み上げられた。それを受けてマイクを握った宮路氏は「公明党さんの全面的な支援を頂いて戦うことになりました。その代わり我々は公明党さんの比例の候補者を応援させて頂き、精いっぱいご協力申し上げます」と宣言した。

 相手は候補者がいない民主でもある。22日夜、さつま町の公民館で開かれた演説会。応援に駆けつけた若林正俊・元農林水産相は、民主がいったんマニフェストで打ち出した「米国との自由貿易協定(FTA)を締結」(後に「交渉を促進」に訂正)にふれ、「農業生産額の減少は3兆5、6千億円になる。農業、農村をつぶしていいのか」と声を荒らげた。

 宮路氏も松下氏の背後に見える民主の影を意識し、「相手は国民新党だけど国会議員はわずか10人で政策実行力はほとんどゼロ。政策も何もかも民主党丸のみ。農業、農村はめちゃめちゃになる」と訴えた。

 当落のかぎを握るのは、3区で最も多い約8万人の有権者がいる薩摩川内市の票の動向だ。社員約2500人のうち約8割が選挙区に住むという同市の京セラ鹿児島川内工場。20日朝、別々の入り口でのぼり旗を掲げて社員にあいさつをする松下、宮路両氏の姿があった。

 運動員が手にしたのぼり旗は、松下氏が民主が唱える「政権交代」、宮路氏は小泉元首相が前回選挙で掲げた「改革を止めるな」だった。(周防原孝司)

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