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〈選択の時 09総選挙〉郵政見直し「最後の機会」 局長ら民主や社民支援

2009年8月26日

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 郵政民営化を争点に自民党が大勝した総選挙から4年。蜜月関係にあった自民党を離れた県内の郵便局長やOBらは、今回の衆院選を「民営化ストップの最後の機会」ととらえ、小選挙区では民主、社民候補を応援している。

■サービス低下

 「いまは国が100%の株を持っているが、売却されて完全民営化されると、利益の上がらない田舎の郵便局はほとんど切り捨てられるのではないか。10年後にはどれほどの局が残っているのか」

 昨年6月まで13年間、宇佐市院内町の南院内郵便局で局長を務めた衛藤金喜さん(64)は、不安感を隠さない。

 同局は07年10月の民営化に先立つ06年6月に集配が廃止され、職員は8人から2人に減った。民営化までの一時期、約8キロ離れた安心院郵便局(同市安心院町)の郵便局員が配達した際に、通帳を預かったり、年金をおろしてきたりすることもあった。だが民営化後はそれもできなくなった。利用者は貯金や年金を扱うのにも窓口まで来なくてはならない。田舎では公共交通機関はあまり整備されておらず、午前中にバスで町に出て来て、時刻表次第では帰りは夕方になるケースも。タクシーを使い、わずかな年金を受け取りに来る高齢者もいるという。衛藤さんは「民営化でサービスが下がったのは間違いない」と語る。

 郵便局会社(東京)によると、前回の総選挙があった05年9月に397局あった県内の郵便局数は、今年7月現在で399局に増えたものの、集配局に限っては92から74に減った。18局で集配業務がなくなったことになる。

■民営化阻止したい

 「郵政政策研究会」。かつて自民党の強力な集票マシンとして機能していた特定郵便局長OBや家族の政治団体「大樹」に、民営化で政治活動が可能になった現役局長も加わり、昨年1月に結成された。今回の総選挙を「民営化ストップの最後の機会」ととらえ、国民新や民主候補を全面的に支援している。

 県内でも、国民新が推薦する2区の社民前職と3区の民主前職を支える。国民新の推薦はないものの1区の民主前職の支持も打ち出している。

 郵政研の県内の基礎票は各小選挙区1万票前後、計3万票程度と言われる。自民に比べ組織力が弱い民主、社民にとって、その集票力は魅力的だ。人脈を当て込み、郵政研の会員を選対の支部に迎え入れる陣営もある。地域によって温度差はあるが、会員がチラシの配布や電話作戦を手伝うほか、局長や局長OBらが率先して集会に参加するなど、民主、社民候補に対して手厚い協力体制を敷く。

■「もうだまされぬ」

 自民側には「郵政選挙」で悪化した関係の修復を求める動きもある。県内のある郵政研関係者には最近、自民候補から接触があったが、出張を理由に断ったままだ。「『民営化はさせない』と言っていたのに、ほごにされた。口約束にはもうだまされない」と話す。一方、今回支援する野党側にもこうクギを刺した。「今回は民主、社民を支援するが、約束が守られない場合は、次の選挙はどうなるか分からない」

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