「経済人から政治の世界に入り、皆さんの仕事、商売の分かる男だと思う。景気対策を最優先でやる自民党に力を貸してください」。麻生首相は24日、自民新顔の白石徹氏(53)=公明推薦=を応援するため県内入りし、新居浜市中心部の街頭で集まった聴衆に呼びかけた。二人は互いに日本青年会議所OBとして親交がある。首相を「兄」と呼ぶ白石徹氏は「今の政治を根底から変えたい。ただ、その前に今の日本経済を何とか立て直さなければならない。道半ばです。今の政権で経済対策を進めさせてほしい」と声をからした。
党県連の公募で昨年10月に候補者に選ばれてから10カ月。地元の建設業界など県議時代からの支持組織をはじめ、選挙区内に九つある党支部をフル回転して選挙運動を繰り広げている。陣営は「先行していた民主候補に対し、やっと戦える態勢になった」と猛追に必死だ。
推薦を受けた公明党の支援も大きい。陣営幹部が「公明支持者の応援が、いい意味でこわいぐらいに熱心だ」と驚くほどの徹底ぶりだ。白石徹氏も街頭演説で「各党のマニフェストを比べると、唯一、中長期ビジョンが書かれている公明党が一番」と持ち上げ、共闘を強調している。
「どうかこの若い情熱、志に皆さんの力を合わせ、投開票日の30日を、日本と愛媛再生のスタートの日にしていただきたい」。民主党の菅直人代表代行は20日、新居浜市役所前の公園で、同党新顔の白石洋一氏(46)=社民、国民新推薦=の応援演説に力を込めた。
続いてマイクを握った白石洋一氏は07年2月の立候補表明以来、2千回以上続けてきた街頭演説の体験について触れ、「2年半にわたって選挙区内を歩き、皆さんの生活の苦しみや悲しみ、つらさや怒りをたくさん預かってきた。年金制度を抜本的に立ち直らせる。年金問題に真っ正面から取り組むのは民主党です」と訴えた。
連合愛媛傘下の労組をはじめ、郵便局長らでつくる郵政政策研究会などの支援を得て票の掘り起こしに懸命だ。四国中央市で24日に開いた個人演説会では、自民党員の同市議が応援弁士を務め、「私の支持者の中にも国政への不信感が高まっている。今回は自民党の一党支配を変えないといかんと思い、ここに来た」と声を張り上げた。
陣営幹部は「ここに来て、有権者の反応がよくなってきた」と手応えを感じている。
諸派新顔の宮脇繁氏(47)は選挙区内を精力的に回って支持を訴えている。「消費税廃止で景気をよくする。今の日本には自民党の増税でもなく、民主党のばらまきでもない減税が必要だ」と街頭演説で訴え、2大政党との違いをアピールしている。