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〈1票を求めて〉和歌山3区 大臣に逆風、挑む前県議

2009年8月27日

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<3区の候補者>

◇3区

湊侑子  26 諸新

玉置公良 54 民新

二階俊博 70 自前

 (届け出順に記載。)

 23日夜、上富田町朝来の上富田文化会館。「おおきに」「頑張ろうね」。個人演説会が終わった後、自民前職の二階俊博(70)は入り口に立ち、集まった300人以上の聴衆一人一人と握手をし、声をかけた。

 党総務局長だった前回05年の総選挙では、二階は公示後数日しか選挙区に入れなかった。だが、今回は公務で上京する日を除き、ほぼ選挙区に張り付いている。演説で二階が強調するのは、道路整備などの地元貢献だ。運動員が配るビラには「素早い予算措置が実現」「国の支援を受けられるよう尽力」などの文言が並ぶ。

 当選8回。現職の経済産業相で、党内グループ「新しい波」の会長。文字通りの大物議員だが、中選挙区時代の旧和歌山2区では、野田実、東力といったライバルとの熾烈(しれつ)な戦いを演じてきた。

 盤石の「王国」となったのは、小選挙区制導入後の96、00年の総選挙でそれぞれ野田、東を破ってからだ。03年は共産新顔に約11万票差、前回は民主新顔に約9万票差と圧倒的な強さを見せてきた。

 今回は西牟婁郡で4回当選の前県議が民主公認で立った上に、党や政権への逆風も強い。二階はこれまでより早めに選挙態勢を構築してきた。6月には後援会「新風会」の議員連盟総会として選挙区内の100人以上の地方議員を御坊市の事務所に集めた。

 公示前から地元の事務所に連日入っているある市議は、後援会の会員一人一人に改めて支持を徹底させ、公示後は選挙カーのコースを考えるなどフル稼働だ。市議は「前回と違って今回は選挙事務所から矢のように指示が飛んでくる」と話す。

 26日夜に田辺市内であった個人演説会で二階は「万一のことがあれば腹でも切る以外にない」とまで言い切った。

 選挙戦最後の日曜日となった23日。民主新顔の玉置公良(54)は、1年近く続けてきた自転車遊説で追い込みをかけた。田辺市朝日ケ丘の県西牟婁振興局がスタート地点。玉置は「政権交代 準備完了」の幟(のぼり)を立て、7、8人の運動員が後に続く。メガホンで「変えなアカン!」「政権交代」などと党や陣営のスローガンを叫んだ。

 2時間巡回したあと、市内のスーパー前で玉置は「いよいよ政治を変えるときがやってきた。政権交代して大掃除をしましょう」と訴えた。

 無所属の県議として活動していた玉置が正式に党本部や県連から出馬を要請されたのは昨年夏。9月に立候補を表明して以来、県議時代の選挙区である西牟婁郡以外での知名度を上げようと、広大な選挙区を自転車で走り回ってきた。

 陣営には田辺市選出の県議、野見山海(社民)や原日出夫(無所属)がはせ参じた。県議時代に非自民の立場から同じ会派に所属していた盟友だ。

 また郵政民営化に反発した「紀南地区郵便局長会」が支持を表明し、演説会では会の幹部が「玉置さんを応援して新しい時代を作りたい」と気勢を上げている。

 だが、西牟婁郡や田辺市以外での支持の広がりは陣営側もつかみ切れていない。「政治とカネの問題、農林水産業の衰退。どれだけ票に結びつくかはわからないが、一度変えてみようという人は多いはず。掘り起こしたい」と反二階の広がりに期待する。

 公示後の20日、田辺市のJR紀伊田辺駅に民主党の鳩山代表が応援演説に駆けつけた。千人を超える聴衆が、政権交代を叫ぶ野党第一党の党首に拍手を送った。演説が終わったあと、玉置は「向こう(二階陣営)は百戦錬磨。気を緩めず地をはっていく」と自らに言い聞かせるように語った。(敬称略)

(渡辺秀行)

=おわり

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