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〈09総選挙@ふくしま〉激戦区ルポ 5区 カギ握るいわき市議

2009年8月27日

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 「リーフレットが足りない」。民主前職の吉田泉の陣営で23日、7万部あった資料が底をつき、慌てて1万部を追加注文した。室内掲示用のポスターも「前回までは500枚もはければいい方だったが、今回は3倍近い。こちらも間もなく品切れだ」。

 吉田の総合選対本部長の鈴木久は、中選挙区時代の90年2月、当時の社会党から衆院選に出て9万票近くを獲得、トップ当選した。その鈴木が「おれの時なんか比べものにならないほど、反応はいい」と自信を深める。「とにかく本人に会わせろ、資料はないか。そんな問い合わせがひっきりなしだ」

 報道各社の情勢調査では、民主への追い風がやむ気配はない。一部で運動の上滑りを懸念する声もあるが、鈴木は「上滑りするほどの組織はない」と気にも留めない。組織と言えば、連合系の労組と吉田の個人後援会ぐらい。「投票率70%で得票13万3千」の目標には、まだかなりの「風」が必要だ。

 党県連会長の玄葉光一郎は公示後、2度も選挙区に入り、「この選挙で勝てなければ、吉田さんの将来はない」と引き締めた。

 双葉郡内の個人演説会にはほとんどの町村長が出席した。特定郵便局長らでつくる「郵政政策研究会」のメンバーも連日、交代で事務所に詰めたり、地域で支持を広げたりしている。

 「私は、新聞で『猛追』と書かれて今まで負けたことがない」。自民前職の坂本剛二は情勢調査結果が出る直前、いわき市郊外の公民館に集まった支持者70人余りにその見出しをピタリと言い当てて見せた。続けて「私は別名、ぶらさがりの剛二。厳しいと言われるほど、記事が出た翌日から反応が変わって、ぶら下がりで勝ってきた」。

 党への逆風に加え、前回まで3回の共闘を組み、今回福島3区に転出した吉野正芳とのコスタリカ方式解消が響いている。吉野後援会の動きが鈍かったが、中盤以降ようやく軌道に乗ってきたという。

 公示後間もなく坂本が所属する清和政策研究会の町村信孝会長らが訪れ、21日には麻生首相もアロハシャツに着替えて応援演説。28日夕には、細田博之幹事長もJRいわき駅前でマイクを握る。

 しかし坂本側にも不安要素がある。自民党系のいわき市議の動きだ。同党の元県議同士、現職と新顔の一騎打ちとなる9月の同市長選の前哨戦が水面下で過熱、そのあおりで現職市長を推す一部市議の運動が鈍っているのだ。

 坂本の個人後援会も、高齢化などで弱体化。26日夜は、同市中心部である坂本の個人演説会と、現職市長を囲む集会の日程がぶつかった。陣営の核のはずの党が二分されているようにも見える。

 幸福実現党の石渡剛は消費税撤廃などを訴え、街頭演説に力を入れている。=敬称略

(松本英仁)

(完)

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