現在位置:
  1. 2009総選挙
  2. ニュース
  3. 記事

《注目:愛知9区》「昔の名簿全部集め、お年寄り回れ」

2009年8月18日16時19分

印刷印刷用画面を開く

 「もう一度、万歳と言って勝たせてくださることを、心からお願いいたします」。今回の衆院選で全国最多の17回連続当選を目指す愛知9区の自民前職の海部俊樹氏(78)は、愛知県美和町での出陣式で、集まった支持者らに語りかけた。

 「見渡すと、お世話になった皆さん、導いて下さった方々、それぞれ走馬灯のように思いをめぐらせている」と切り出した海部氏の訴えを、氷を置いたテーブルの周りに座るなどした約千人の支持者らは、配られたうちわであおぎながら耳を傾けた。海部氏からは「忘れないうちに率直に申し上げる。あそこの役所はこうするとか、勝ったつもりでいる民主は取らぬタヌキの皮算用だ」と、珍しく民主批判も飛び出した。

 海部氏は、第76代首相に89年8月に就任した後は、衆院選のたびに全国を応援で飛び回り、地元に不在が続いていた。しかし、03年の衆院選で、民主前職の岡本充功氏(38)に約1万1千票差に迫られ、初めて比例復活当選を許すと、05年は地元に戻って自分の選挙運動に取り組んだ。党内規の年齢制限で比例区の復活当選はないだけに、今回は「初めて」という事務所開きを、麻生首相を迎えて公示前に開いた。

 当選すれば在職50年に手が届く海部氏の陣営には、本人の体調を心配する声も出ている。ある幹部によると、05年は選挙期間中に160カ所の集会や演説会に顔を出したが、今回は暑い季節でもあり「半分かそれ以下になる」。別の幹部も「街頭に立つこともないだろう」と話す。

 陣営に加わるある県議は、今回の戦略として「昔の名簿を全部引っ張り出せ」と選対本部に指示したという。「お年寄りを回れ、だ。それしかない」。海部氏は出陣式の後、稲沢市の神社で必勝祈願を済ませ、会社や団体回りをこなした。

 岡本氏は午前9時半から津島市で出陣式。海部氏との戦いは今回で3回目だが、過去2回はいずれも比例区での復活当選に甘んじた。

 集まった約400人の支持者らを前に、岡本氏は「新時代の幕開けを促すか、旧態依然の利権が続くのを許してしまうかを全国で問う選挙。必ず小選挙区で勝って、この9区から新しい息吹を国政に吹き込みたい」と訴えた。

 岡本陣営の事務所は南北に長い選挙区の真ん中を貫く県道沿い。海部陣営とは約2キロ離れた同じ道沿いだ。すでに昨年秋に事務所開きをしており、今月上旬には海部氏の事務所開きに日時をぶつける格好で決起集会を開くなど対決姿勢を強めている。

 第一声後、岡本氏は支援者と自転車で遊説に出発した。

検索フォーム