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投票所入場券、性別表記消える 性同一性障害に配慮

2009年8月30日13時40分

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 全国の主要自治体の5割超が、選挙の投票所入場券の「男」「女」の性別表記を03年衆院選以降の6年間にやめていたことが朝日新聞のまとめでわかった。戸籍と異なる性別で生活している性同一性障害(GID)の人たちから「投票の度に戸籍上の性別を再確認させられるのは強いストレス」との声が上がっており、配慮の表れとみられる。

 46道府県庁所在市と、そのほかの4政令指定市(川崎、浜松、堺、北九州)、東京23区の計73自治体の選管事務局に入場券の表記の形式、変更の時期と理由を尋ねた。

 投票所入場券の記載事項について、公選法の規定はなく、自治体の裁量で決められる。03年11月以降に漢字などによる性別表記をやめたのは、今回の衆院選から実施した熊本、松山両市を含む39自治体。このうち、記載そのものを撤廃したのは10自治体、一見してわかりにくいように記号や数字(例=男1 女2)に変えたのは29自治体だった。男女別の投票者数を集計するために入場券を数えている自治体が多い。

 39自治体のうち、8自治体は03年衆院選、17自治体が04年参院選で改めた。一定の条件を満たせば戸籍の性別変更を認める「性同一性障害特例法」が04年7月に施行された時期と重なる。GID当事者から自治体への要望を受け、印鑑登録証明書など自治体の発行する証明書や申請書から性別記載をなくす動きが広がった。

 04年参院選から性別欄を撤廃した大阪市選管の担当者は「性同一性障害の人たちに不快な思いをさせないために変えた」と話す。07年参院選から漢字表記をやめた松江市の上田地優(ちひろ)さん(51)は女性として生活しているが戸籍上は男性。「男と書かれた入場券は恥ずかしかった。今の入場券なら投票に行こうという気がわく」

 現在、漢字表記していないのは、元々していなかったところと合わせ計60自治体。一方、13市は今回の衆院選でも漢字表記を変えない。福井市や徳島市の選管は「問題として認識しているが、今のところ市民から要望はなく、具体的な検討はしていない」としている。(上原賢子)

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