衆院選の有権者に牛肉を渡したとして、熊本県警は2日、熊本1区に立候補して落選した木原稔候補(自民)派の運動員で元熊本市議会議長の食肉卸売業「矢野畜産」役員矢野昭三容疑者(81)=熊本市九品寺5丁目=を公職選挙法違反(物品買収)の疑いで逮捕し、発表した。県警によると、矢野容疑者は「当選させるために配った」と容疑を認めているという。
捜査2課によると、矢野容疑者は8月18日の公示日前後、熊本市内の知人男性方や会社事務所を訪れ「木原をよろしくお願いします」などと言って、木原氏への投票や票の取りまとめに対する報酬として、男性3人に計数千円相当の牛ステーキ肉やバラ肉、ソーセージなどを渡した疑いが持たれている。
矢野容疑者は67年、熊本市議に初当選。自民党に所属し、90年に約1年間、議長を務めた。07年に引退した。