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民主、「インド洋撤収」を政策集から削除 現実路線へ

2009年7月23日11時49分

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 民主党は23日、衆院選マニフェスト(政権公約)の土台となる09年版政策集を公表した。焦点の外交・防衛分野では、6月当時の原案にあったインド洋で給油活動を行う海上自衛隊の撤収を削除し、期限内の派遣を容認。日米地位協定見直しの表現も緩和した。マニフェストにも反映する。政権交代が視野に入り、現実路線にかじを切った。

 民主党は自衛隊海外派遣について、これまでインド洋での給油活動に反対。一方、小沢一郎前代表がアフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)参加に前向きだったため、アフガン本土の自衛隊を含む人道復興支援活動を掲げた「テロ根絶法案」を政策集に明記していた。

 しかし、今回の政策集では日本の役割を「貧困の根絶と当該国の国家としての再建に積極的な役割を果たす」と位置づけるにとどめ、「アフガン支援」のくだりを削除。原案段階ではあった「海自の給油活動を終了」も削った。

 民主党が政権についた後も、期限内の派遣は容認した形だ。今後は給油活動の根拠である補給支援特措法の期限の、10年1月以降も続けるかどうかが焦点となる。

 北朝鮮対策として、原案にはない「国連安保理決議にもとづく貨物検査の実施」を明記。先の国会で、民主党が貨物検査特措法案の審議に応じず、廃案になったという麻生首相らの批判をかわし、衆院選後に法整備を目指す姿勢を示した。

 日米地位協定は原案で「抜本的な改定に着手する」としていたが、「改定を提起」に和らげた。穏当な表現にとどめることで、政権獲得後も当面は、米オバマ政権との信頼関係の醸成に努めることを重視したものだ。

 北方領土問題では「早期一括返還」から「一括」を削除し、柔軟路線に転換した。4島の帰属を確認できれば、段階的な返還を容認する政府方針に歩調をあわせた。

 政策集は政権獲得後の基本方針となる。原案では外交・防衛分野で、対等な日米同盟と国連中心主義を唱える小沢氏の持論をもとに、日米で摩擦が生じかねない内容を盛り込んでいた。だが政権交代に現実味が増すなか、現実路線転換を明確に打ち出した。

 内政面では財政再建目標について、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を図り、債務残高のGDP(国内総生産)比を「着実に引き下げる」とした。だが、これまでの政策集にあった11年度の黒字化目標などの具体的数値は外した。

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 〈海自のインド洋派遣〉 インド洋上でアフガニスタンの麻薬やテロ資金の出入りを監視する欧米などの多国籍軍艦船に、海上自衛隊の補給艦が無料で給油活動を続けてきた。01年12月の開始後、民主党の反対でいったん法案が期限切れとなり、07年11月に撤収。08年2月に再開した。

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■政策集の内政部分の主なポイント

・国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の「11年度」黒字化目標明記は見送り。

・消費税は税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源にあてる。変える際は、引き上げ幅や使途を明らかにし、国民の審判を受けて具体化する。

・「行政刷新会議(仮称)」を設置し、集中的に国の事業を見直す。

・「消えた年金」「消された年金」問題は、国家プロジェクトに位置づけ、2年間集中的に取り組む。

・公立高校授業料を無料化、私立高校授業料分も補助(年12万〜24万円程度)し、無償化する。

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