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政権交代なら… 最初は景気減速、来年度好転 民間予測

2009年8月26日3時2分

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 政権交代がかかる総選挙で民主党政権が誕生し、新たな経済対策を実施した場合の景気への影響を、民間シンクタンクが予測した。09年度は公共事業減額の影響でマイナスの経済効果となるが、子ども手当の支給や高速道路の無料化の効果で10年度はプラスの効果が出そうだ。

 予測を示したのは、野村証券金融経済研究所、大和総研、明治安田生命。いずれも自民党・公明党の連立政権が現在の景気対策を続けた場合と、民主党政権が誕生し、新たな景気対策を行った場合を比較した。

 まず、現政権の景気対策効果は、野村の試算では09年度の国内総生産(GDP)の実質成長率を1.5ポイント押し上げる。だが公共事業の反動減などで息切れし、10年度の押し上げは0.5ポイントにとどまる。

 一方、政権交代が実現して民主党政権となった場合の景気対策はどうか。

 09年度の実質成長率の押し上げ効果は1.1ポイントと、現政権より目減りし、逆に10年度の効果は0.7ポイントとやや高い。他の2社の予測もほぼ同様の傾向だ。

 内閣府が現政権の景気対策も踏まえて7月にまとめた試算では、09年度の実質GDPは前年度比3.3%減、10年度は同0.6%増の見通し。民間予測通りなら、09年度は減少傾向、10年度は増加傾向になりそうだ。

 民主党の政策で09年度の実質GDPが低下するとみられるのは、マニフェスト(政権公約)で公共事業の削減を打ち出しているためだ。無駄が指摘される公共事業だが、短期的には経済成長を下支えする側面があり、急激な削減は一時的に景気を冷やす恐れもある。

 一方、10年度から段階的に実施が始まる子ども手当や高速道路無料化は個人消費を刺激するため、実質GDPを上昇させる効果が見込まれる。「バラマキ」との批判はあるが、欧米の景気回復はまだ先で、輸出の本格的な持ち直しが見通せないなかでは、子ども手当などによる消費刺激が景気を支える可能性はある。

 もっとも、民主党は公共事業の削減などで財源をつくるとしており、野村の木内登英・チーフエコノミストは「景気を減速させる政策(公共事業削減)でお金を確保して景気を良くするという、やや矛盾した政策だ」と指摘。公共事業減と消費刺激の効果が、それぞれプラスとマイナスに作用しかねないとみる。

 また、子ども手当などで消費が一時的に刺激されても、日本の経済力が一気に底上げされるわけではない。明治安田生命の小玉祐一・チーフエコノミストは「手当で出生率が上がっても経済に大きな効果が出るには時間がかかる。規制緩和などで民間が活動できる分野を増やすことも同時に必要だ」と言う。(橋本幸雄)

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