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民主党・鳩山代表の記者会見<全文>

2009年8月31日2時27分

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 民主党の鳩山代表が31日未明に行った記者会見の全文は以下の通り。

 ●冒頭発言

 ご案内の通り、今回、国民の皆さんが、日本の憲政史上初めての政権選択選挙というものをおこなって、勇気を持って、政権交代を選んでいただいた。そのことに、国民の皆さんに対して、民主党の代表として心から感謝を申し上げたいと思います。

 すべてはこれからだと思っておりますし、単なる民主党の勝利だと思っておりません。やはり、国民の皆さんにとって、お暮らしが大変厳しくなっている。今の政治、何やっているんだとのお怒りが、民主党への期待感に結びついたということも間違いないことだと思っております。その意味では、謙虚に私どもとしては、いかにして国民の皆さんの方向を向いた政治というものを作り上げていくかということがすべてだと思います。

 私はある意味で三つの交代ということを申し上げたいと思います。一つは言うまでもありません、政権の交代であります。長く続いた自民党の政権に対して、国民が新たな政権の選択をしたということであります。それは、とりもなおさずこれまでの野党というものが非力だったということが、むしろ自民党に対して反省を求めるよりも、野党が非力だったということが、国民の皆さんに不幸を招いた原因だと理解しております。それだけに、このような状況のなかで、政権交代をできたというのが大変大きな意味があると思います。

 二つ目の交代は、これは古い政治から新しい政治への交代だということも言えると思います。いわゆる政官業の利権にまみれた政治というものにさよならして、新しい、市民が中心となる政治を作り出していこうということの表れたと思っています。民主党としては新人がたくさん登場するわけでありますが、同窓生というと語弊があるかも知れませんが、経験のあるもの、そして、新人がいかに協力して融和の中で新しい政治を興すかということが我々の大きな課題だとも思います。

 三つ目の交代、これはいわゆる主権の交代でありまして、今日まで官僚任せ、いわゆる官僚主導、官僚主権の政治だと言われて参りました。それに対して「そうじゃないよ」と、国民が主役となる政治だと、国民主導の政治というものを作り上げていかなければならない。政治主導が必ずしも、国民の皆さんの主導になりきるかどうかということが逆に問われることだと思っておりまして、私どもとすれば、政治主導を国民主導の政治に変えていく、主権が明らかに国民の手に戻ったぞという国民主権の選択を国民の皆さんが自身の手でおこなっていただいたということであろうかと思います。

 その意味で、三つの交代の意義というものをしっかりとつかみ取って、国民の皆様方の期待に応える政治というものを興していきたいと思っております。

 前置きはこのぐらいにいたしたいと思いますが、いわゆる、新型のインフルエンザとか、台風が近づいておりますし、災害対策もおこなわなければならないと思っております。野党で現在はありますけれども、これから政権を担っていく政党として、自民党と民主党、これは大いに戦うべきところは戦いながら、継承したり、あるいは協力するべきところは、大いに協力してこれからおこなっていく必要があるかと思っておりますので、そのようなことも決して数におごることのない政治をおこなって参りたいと言うことを冒頭申し上げておきたいと思います。

 ●質疑

 Q 今後の組閣人事について。鳩山内閣の中でもっとも重要と位置づける閣僚ポストは。人事はどのような基準で選考されるのか。

 A まだ選挙にいかにして戦うかということに、いままで精力を費やしていたので、必ずしも組閣ということに関して十分考え抜いたわけではない。その前提の中で申し上げれば、当然新しく作ろうとしている国家戦略局あるいは国家戦略室の担当大臣は、これからの国家の基本的な方向、あるいは予算の骨格を議論して決めていく大変重要な大臣なので、きわめて重視して参りたい。

 また金融、経済、こういったところが国際的な流れの中で大変重視されていくので、当然のところだが、財務大臣などは大変枢要なポストだと考えている。選考過程などは、当然のことながら私がそれなりのリーダーシップを発揮して決めてまいりたいと思っているが、いわゆる首相指名の前にあまりこのような流れができることは決して好ましいことではないと思っているので、慎重にはかってまいりたい。

 Q 今回の総選挙について、鳩山さんは革命的な選挙であると位置づけてきたが、その意味で今回の選挙をどう位置づけるか。政権交代可能な二大政党制を目指してきたが、自民党が壊滅的な打撃を受けた。巨大政党になった民主党がいずれ分裂するのではとの指摘もあるが。

 A 私がなぜ革命的と申し上げたといえば、復唱になるわけだが、明治維新以来、官僚主導という政治が結果として国民の声が聞こえない政治というものになりさがってしまった。この弊害を除去するために、政治主導に政治を変えていかなければならない。国民の声を大事にする政治にかえていかなければいけない。そのためには、国民のみなさんが自ら参画するという勇気を持っていただきたいということだった。そして今回、その勇気を国民のみなさんがお示しいただいたものだと、私はそのように大変強く感謝をしている。

 民主党の生き様、政権の運営の仕方はできるかぎり国民の皆様方のご意思をいうものを重視しながら一つ一つの政策運営を決めてまいりたい。そのことをやれよ、という意思を国民のみなさんが示していただいたものと感謝をしている。

 それから、自民党が大変大きな打撃を受けられたことは紛れもない事実だと思うが、しかし、その数といえば、私どもがいま有している数にほぼ匹敵するわけで、自民党さんからすれば未曽有の経験かもしれないが、そのことで自民党が壊滅するとはとらえていない。むしろ、選挙戦中、誹謗中傷合戦にとられてしまったとすれば大変残念だと思っているし、私どもは誹謗中傷合戦ではなくて、堂々たる政策論争をこれから行ってまいりたいと考えている。

 私は自民党の底力、選挙に向けた大きな力をこれから発揮されていかれるものだと。そうしないと真の意味での二大政党政治というものが日本には定着しない。ある種、小選挙区制度というものはこのように大勝したり、大敗したりすることはありうると思うが、このことによって党の存亡が危機的な状況に一時的なものになったとしても、結果としてそれが大きな再生につながるものと思っている。ぜひ運気を期待申し上げる。

 さらに申し上げれば、まだできてもいない民主党の300を超える議席というものに、すぐに分裂になるのではないかということであるが、そのようなことは一切心配無用であるから、ご懸念はお捨ていただいて結構だ。

 Q 閣僚や党役員の主要ポストは、ほかの閣僚人事に先行して決めていくということも伝えられているがそうした考えはあるか。

 A 一つの考え方としてあり得るのかなと思っておりました。たとえば外交日程などとのからみの中でそのようなことを考える必要があるのかなと思っていましたが、やはり、一部だけ決めるというのは他との兼ね合いも考えなければならないと思っておりますので、そのことに関しては私の念頭にはありません。

 すなわち、決めるときには首相指名後に一気に決めるのが閣僚名簿ではないか、閣僚人事ではないかと思っています。

 Q 脱官僚というのは、脱族議員と表裏一体と思うが、脱官僚というのはよく説明があるが、族議員が出てこないようにするスキームを教えて頂きたい。98年の民主党の基本政策は市場原理の貫徹と経済構造改革を行うと、それから規制改革の徹底というのがあるが、このところ一切なくなった。基本政策は一切違うものになったのか。今後の経済成長の道筋をお示し頂きたい。

 A まず脱官僚と言うこと自体も正確ではありません。脱官僚依存と言うふうに正確に言うべきだと思います。官僚に依存してしまっている現在の政治から、官僚に依存することをむしろ恥ずかしく思いながら、脱官僚依存の政治を作り出すと言うことを目的としたいと言うことで、若干の訂正を申し上げたい。

 脱族議員ということも、いわゆる政官業の癒着の体質に染まらない政治を作り上げていくということで、私どもとすれば当然の話であります。民主党が政権を取った暁には、いわゆるコンクリート行政によって利権というものをむさぼるような政治を行うつもりは一切ありません。このことはむしろ政治家の意識の問題だと思っておりますが、政治家のあり方として、これからの国と地域のあり方として、地域主権のあり方を考えて頂ければお分かりのように、決して利益誘導型の政治というものを我々は求めているわけではありません。それを排除する中で国民の声が聞こえる政治、国民の声を聞く政治に戻すことができると思っておりまして、表裏一体の話と考えておりますが、私どもは十分そのシナリオを作ることが出来ると考えています。

 それから市場原理がすべて悪いと言っているわけではありません。市場原理というものの重要性を私どもは認識しているわけでございますが、市場原理に対してそれが金科玉条のようにすべて何でもこれでやればよいんだという至上主義に対する反省というものが必要なのであり、私どもはマニフェストにもそのことを書いているわけでありまして、規制改革を行わなければならない部分というのが当然残っている。ただ、その規制が行き過ぎたものに対する、たとえばタクシー業界の問題を考えれば分かるように、規制改革が行き過ぎたものに対する是正を行う状況が出てきているのが現在の経済状況ではないかと申し上げています。

 経済成長の考え方も当然重視しているわけでありますが、家計を直接潤すような政策を重視をする。その次にアジアなども見定めていきながら、日本の得意とするようなバイオ、IT、ナノテクのような科学の分野を重視する中で経済成長をニッポン流の中ではかっていくということは我々としても重視していく。その中で必要な規制緩和を行うこともあるし、行き過ぎたものにたいして歯止めをかけると言うことも肝要ではないかと申し上げたい。

 Q 友愛とか、官僚政治から政治主導とか、地方主権とか言うが、この国のあり方、ビジョンがわからない。経済のトップを目指すのか、経済はそこそこでいいのか。

 A そういうものをビジョンというならば、分かりました。経済成長はある程度必要だという認識は持っている。しかし今の政治のように、景気対策だと銘打ちながら、現実は景気対策にもならない、国民の幸せが損なわれてしまうような世の中になってしまっている。それは逆ではないかというのが我々の考え方だ。大事なことは、政治の役割は、特に社会的に弱い立場の方々に対して、より光を強くあてるという政治だと思っていて、一人一人の幸せをより追求する政治を求めるのが民主党の基本的考え方だ。

 Q 政権移行チームを作らないのであれば、連立協議はどこが主体になってやるのか。比例で名簿が足りず、一部他党に議席を譲った結果をどう考えるか。

A 連立の協議、例えば、社民党さん、国民新党さんとの間の連立の協議をどうするのかは、基本的に当面、現在の3役、特に幹事長中心に行動してもらうと考えている。

 まだ他党の選挙状況も見定める必要があるが、代表者の方々と、政策的なことは政調会長、より大きな協力の問題に関しては幹事長。現在の体制の中で、連立の協議を行うことが肝要ではないか。その意味での政権移行のチームとして、現在の3役を中心としたみなさんに骨を折って頂こうと考えている。

 それから、民主党が我々の期待を遥かに超えて、勝利をつかみとることができていく中で、必ずしも比例の名簿が十分でなかったということは現実にあろうかと思う。若干の反省は当然かとは思うが、そこのところは、「読み」がまだ十分でなかったということでおわびをしたい。

 Q 鳩山政権の外交政策についてうかがいたい。外交の主な目的は。鳩山さんのおじいさんはソ連と日本の関係を回復したが、鳩山さんのロシアに対する立場について。

 A 外交というものはご案内の通り、国と国とが様々な問題で、ある種の衝突が起きたりするようなときに、その解決を極力、対話と協調路線でおこなっていくと、その主たる役割が外交に任されていると思います。オバマ大統領も対話と協調路線というものに大きくアメリカもかじを切っていくなかで、私どもは様々、まだ東アジアも含めて、様々な大きなテーマが存在していることが事実でありますが、そのことに対して、安全保障も重要ではありながら、むしろ対話と協調の中で問題の解決を見いだしていくという姿勢が極めて求められている時代ではないかと認識をしております。

 それから、祖父一郎がロシアとの間で共同宣言を樹立したわけでございます。その件に関しまして、私も同じように、ロシアの、例えば北方領土問題の解決などに力を入れて参りたいと考えているところでございますが、まだ、これからロシアと日本との協力関係はまだまだ大きな潜在的能力があるものですから、それが十分に発揮をされていないというのは、お互いの国益を損なうことであると考えています。したがって、信頼関係をできる限り早期に充実を図っていきながら、大きな懸案問題の解決を常に考えながら行動していくことが大事ではないかと考えています。

 Q 今回、選挙では鳩山代表が16年前に自民党を離党して、自民党を打ち倒して政権を奪い取ることになるが、そういう視点で今回の勝利をどう位置づけているか。

 A 私が自民党を離党したのは、自民党が嫌いだとか、いわゆる好き嫌いの問題ではありませんでした。二大政党政治というものを定着させない限り、この国の政治というものは本物にならないと、国民の皆さんの期待通りに動かないと、いうことがわかったから、自民党を離党して、今日まであえて与党から野党に二度ほど身を転じるようなことをおこないながら、民主党で活動しております。その意味で申し上げれば、ようやく二大政党政治、すなわち、一党が必ずしも国民の期待に応えないときに、他党がならば私が頑張りますよと、政権を十分に担いますよ、国民の皆さんもご理解くださいと、いう意味での二大政党政治がようやく定着することができたのではないかと考えておりまして、そのために、自民党を離党してから16年たちました。長いようでもありましたが、その間に国民の皆様方が辛抱強く、二大政党政治の実現、すなわち、政権交代可能な政治勢力を作ることにお力を貸してくださったことに心から感謝を申し上げたい。

 Q 今後、連立与党が圧倒的多数を握る国会になる。健全な国会運営を図るうえで注意する点は。民主党は3分の2条項を使う自公政権を再三、批判してきた。それを念頭に置いた上で、国対委員長はどういう人がふさわしいと考えているか。

 A これは先ほど冒頭申し上げたことですけれども、私としては数におごってはならないと思っております。たとえ、多くの期待を数でいただいたとしても、そのことによって、民主的な国会運営というものを阻害することになってはいけない、そのように思います。大事なことは常に国民の視点に立って行動するということであろうかと思っておりまして、国民の期待というものに常に焦点を合わせながら、国会対策の中でも政策の実現に向けて辛抱強く努力をすることが大切ではないかと思います。

 かつても竹下元総理がおっしゃっていたように、むしろ国会は野党のために存在しているんだというくらいの思いで行動する必要があるんじゃないかと。数の横暴というものを私たちは、たとえ制度的に許されることであったとしても、多用するようなことをとても考える気にはなりません。ある意味で、今までの自公連立政権を反面教師として、我々としてはより健全な政党政治、国会運営をおこなって参りたい。

 そのことで申し上げれば、国対委員長にはその意味での辛抱強さと、あるいは、野党に対する思いやりというものを、国民のために行動することができる人材が必要ではないかと考えています。

 Q 総理大臣になるための覚悟。どういう総理大臣を目指すか。何を一番実現したいか。

 A 私は覚悟がなければ、政治家をやるべきではないとそう思っておりますから、その中でも最も重い責任を背負う総理大臣である以上、もしそれを任務として果たすということになれば、当然のことながら覚悟を持って臨むことはいうまでもありません。その覚悟を私は政治家を捨てる覚悟だと申し上げたわけだが、いわゆるポストとか、そういうことのために政治家をやってるんでじゃないぞという覚悟を常に持っていることが肝要ではないか。それから当然のことながら、そのことを覚悟をもって何を望むかといえば、今の現実の国民のみなさんの暮らしを考えたときに、これは小沢代行代表時代から国民の生活が第一と申し上げてきた。それが残念ながら果たされていなかったのが今日までの政治だ。従ってこれは官僚から国民主権にと、さかんに私が申し上げているのは、ただ単にお題目を唱えているわけではありません。まさに国民のみなさんの今の立場の中での苦しみをできるだけ解放するような政治、一人ひとりの心というものを思いやりながらみんながみんな居場所を見いだすことができて、あるいは働く場所を見いだすことができる、そんな日本の社会をなんとしても作り上げていきたい。

 経済とか景気とかいう言葉で言えばひとくくりになってしまうが、もっと一人ひとりの心の中にしみわたるようなことに、日本の国に、私たちが暮らしてきて本当によかったねと本気で思えるような国をつくるために精いっぱい努力をしていきたい。

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