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民主308議席 問われる真価

2009年8月31日7時12分

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 「明治以来の官僚主導の政治を政治主導に変えないといけない。そのために国民が自ら選択する勇気をお示しいただいた。強く感謝している」

 民主党の鳩山代表は31日未明の記者会見でこう語り、努めて謙虚にふるまった。

 鳩山氏が掲げた選挙戦のキーワードは「革命」だった。

 衆院が解散された7月21日。鳩山氏は党両院議員総会で「政治主導で新しい日本の政治をおこす、大きな革命的な解散・総選挙だ」と歴史的意義を強調した。幹部だけでなく候補者全員が選挙区で「政権交代」を叫び、小沢一郎代表代行が奨励した「どぶ板選挙」を戦った。

 その結果、「政権交代」の言葉は有権者の心に響き、想像以上のうねりを起こした。29日夜、東京・池袋で鳩山氏が行った「最後の訴え」は熱気に包まれ、興奮した同氏は演説後に記者団に語った。

 「革命的なうねりを感じた。明治維新以来の大きな変革を自分たちで成し遂げようという大きな胎動を、ものすごく強く感じた」

 鳩山氏らにとっては、長い道のりだった。「政権交代」を旗印に、鳩山氏と菅直人代表代行が旧民主党を結党したのは96年。98年に岡田克也幹事長らを迎え入れて今の民主党をつくり、03年に小沢氏が合流。失敗を繰り返しながら、鳩山、菅、小沢のベテラン3氏がスクラムを組み、ようやくたどりついた。

 鳩山一郎元首相の孫で保守色の強い鳩山氏、市民運動から政治家になった菅氏、自民党中枢を歩んで権力を熟知する小沢氏――。毛色の違う3氏が06年の小沢体制発足を機に組み上げた「トロイカ体制」で、党の結束力は増した。短所を補い合い、07年参院選に大勝して参院を与野党逆転に導き、ついに衆院も制して悲願を成し遂げた。

 長らく野に甘んじた幹部らの感慨は深い。だが、小沢氏は30日夜のテレビ番組で大勝の感想を問われても「まだ結果が出ていない」と繰り返し、厳しい表情を崩さなかった。

 よみがえるのは、16年前の苦い記憶だ。93年の政権交代で誕生した7党1会派による細川連立政権は、1年ももたず崩壊した。菅氏は選挙戦最終盤の28日、東京都内の街頭演説で当時を振り返った。

 「(自民党は)細川さんのスキャンダルでも何でも突けば、短期間にひっくり返せると思っていた。事実、短期間でひっくり返った」

 「政権交代」の次の目標は「細川政権の二の舞い」を避けることだ。小沢氏も選挙戦で「日本に本当の議会制民主主義を定着させる。それが私の願いだ」と持論を繰り返した。幹部らは一様に「政権交代はゴールではなくてスタートだ」と強調してきた。

 政権運営が難しい現実は変わらない。難題が多いマニフェスト(政権公約)の目玉政策を、約束通り財源を確保して実行し、支持を維持できるのか。鳩山氏は29日、こう訴えて次の目標に歩み出す決意を語った。

 「マニフェストの実現に向けて全身全霊を傾ける。(公約実現への)4年間のシナリオを我々は用意した。その4年間がどうしても必要だ」

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