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身構える霞が関 「覚悟している」「垣根崩す機会」

2009年8月31日17時3分

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 「脱官僚依存」を掲げる民主党のもとでは、これまでの政策がひっくり返る可能性がある。東京・霞が関の官僚たちには不安、あきらめ、期待……と様々な思いが交錯した。

 「覚悟はしている。国民が選んだのだから仕方がない」。31日朝、自民党大敗を伝える新聞を広げながら、国土交通省の旧建設省出身の幹部は、あきらめの心境を漏らした。建設省系の官僚は長く、自民党道路族に代表される「族議員」を「よきパートナー」として、公共事業を推し進めてきた。

 だが、民主党のマニフェストには、ガソリン税の暫定税率の廃止、高速道路の無料化、4600億円を投じる八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の中止など、国交省の方針と対立するものが目白押しだ。

 7月末に就任した谷口博昭事務次官は道路局長経験者で、道路特定財源の無駄遣いの問題では暫定税率の維持に奔走しただけに、対立を心配する声もある。

 幹部の一人は「既に財務省も公共事業に厳しいシフト。暫定税率の廃止にあわせて、公共事業削減を強く求めてくるだろう」と身構える。別の幹部は「まずは八ツ場ダム。地元を巻き込み、一波乱あるだろう。ここをどう乗り切るかだ」と話した。

 一方、旧運輸省出身の中堅幹部は「組織の垣根を崩すいい機会かもしれない」と受け止める。01年に旧建設省と統合して国交省になったが、予算の使い方や政策決定の流れは「縦割り」で、一体感がないと感じていたからだ。

 たとえば高速道路の「一律千円」値下げ。「ほとんど道路局と自民党の間で決まってしまい、影響を受ける鉄道やフェリー業界を抱える我々を巻き込んだ議論にならなかった」

 マニフェストに「取り調べの録音・録画」を掲げた民主党政権により、全過程の録音・録画(全面可視化)を迫られることになった法務省。幹部の間には「国民の意思なら従うだけ」と冷静な声がある一方で、捜査を担う検察には「真相が解明できなくなる」と反対論も根強い。「日本の刑事司法を大きく変える問題。現場の意見も聞いて、改めて慎重に判断してほしい」との声もある。

 3月に小沢一郎・代表代行の公設秘書が逮捕された西松建設による違法献金事件をめぐり、法務・検察は「不公正だ」と民主党から強い批判も浴びた。新しい大臣や副大臣の人事をめぐって、幹部の一人は「意趣返しのようなことはないと信じるが……」と気をもむ。

 年末に向けて、今後の防衛力のあり方・指針を定める「防衛計画の大綱」の見直しを控える防衛省の幹部も、新しい大臣を気にかける。「現在進めている活動や政策の意義をとにかく丁寧に説明して理解を得るしかない」

 農林水産省では、民主党マニフェストに批判的だったトップの首のすげ替えもささやかれている。幹部は「いくら何でもそんなことはないんじゃないか……」といいつつ、浮かない表情だ。

 文部科学省幹部は、「大きな変化はないのでは」とみる。「手法について両党の違いはあるが、学力向上や教員の質向上といった目的は同じではないか」

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