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民主政権へ期待と不安 建設業界・郵便局・遺族会…

2009年9月1日15時1分

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 自民から民主への政権交代で、政策が変わる可能性がある分野では、団体や関係者が新政権の今後の動きをかたずをのんで見守っている。その視線には、期待と不安が入りまじっている。

 「改めて国民の変化を求める意識がいかに大きいものであったか強く感じている」。選挙結果を受け、自民党を長く支持してきたゼネコン各社の業界団体、日本建設業団体連合会(日建連)の野村哲也会長はコメントを発表した。

 民主党はマニフェスト(政権公約)に公共事業削減を掲げる。日建連は「必要な社会資本の整備は着実に推進していただきたい」とくぎを刺すのを忘れなかった。

 秋田県の地場中堅建設会社社長(61)は減り続ける公共事業に不安を訴える。

 「5年前と比べて売り上げは半減。従業員のボーナスはゼロ、昇給もない。地方には農業と建設業しかないという事実がある。地方をただ、切り捨てるというのだけはやめて欲しい」

 小泉改革の象徴とされた郵政民営化。民主党はその「抜本的見直し」を主張する。郵便局長らで作る政治団体「郵政政策研究会」の三枝和洋専務理事(67)は「見直しを一貫して主張してきた国民新党の綿貫民輔代表らが落選したのは残念だが、政権交代は喜ばしいこと」と話した。

 北関東の郵便局長の男性(48)は選挙結果に「ひとまずほっとしたが、民主政権が郵政民営化の見直しをどこまでしてくれるのか、先が見えない不安もある」と話す。

 今回の衆院選では、国民新党が推薦する民主候補の応援にもたびたび動員され、チラシの投函(とうかん)や駅頭でのマニフェスト配りに精を出した。

 民営化で業務の効率化や顧客サービスの向上が期待されるが、まだ実現できていないのが不満だ。この先、採算のとれない郵便局が閉鎖に追い込まれると考える。「民主政権になって急に上向くとは思わないが、今より悪くなるのを防いでくれると思う」

 鳩山代表は戦没者の国立追悼施設の創設に前向きな発言をしている。日本遺族会の森田次夫副会長(72)は「追悼施設は靖国神社しかないという遺族会の考えは伝えていく」と言う。

 民主党は追悼施設の必要性について政策集に、誰もが「わだかまりなく戦没者を追悼できるように」と記した。森田さんは「誰もわだかまりを感じないというのは無理。新たな施設は民主党の言う『無駄の排除』に矛盾する」と主張する。

 遺族会長は自民党の古賀誠・元幹事長。森田さん自身、自民で参院議員を1期務めた。「遺族会はずっと自民1党支持で来たが、これからどうしたらいいのか。相談していかなければいけない」と戸惑いも隠さなかった。

 長年進展がない北朝鮮による拉致問題。民主党は政策集で「国の責任において解決に全力を尽くす」とした。他党と変わらない表現だ。

 横田めぐみさんの母早紀江さん(73)は、拉致問題への取り組みを求めて6月に民主党本部を訪れた際、鳩山代表の胸に救出活動の象徴であるブルーリボンをつけた。その後、テレビで見る鳩山代表の胸にリボンは見当たらない。「大変な問題が置き去りにされてきた。一刻も早くと願い続けている。党を問わず、人間として問題解決に本気で取り組んでほしい」(座小田英史、渡辺志帆、大谷聡)

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